Oracle RAC One Node環境を構成してみました ステップ5 Oracle RAC One nodeデータベースの作成


前回の記事の作業により、Oracle Grid Infrastructureの導入まで完了しました。今回は最後の作業として、Oracle RAC One nodeデータベースの作成まで実施します。

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▽Oracle RAC One node構成関連ブログ
 ステップ1:Oracle Linux環境の導入
 ステップ2:Oracle Grid Infrastructureインストールの準備
 ステップ3:別Oracleノードの構成と共有ディスクの設定

 ステップ4:Oracle Grid Infrastructureの導入
 ステップ5:Oracle RAC One nodeデータベースの作成 ← 今回の記事
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Oracleデータベース用ASMディスクの作成

Ora01マシンに対してvSpher ClientなどからgridユーザでGUIログインし、「asmca」コマンドを実行してASM Configuration Assistant画面を開きます。最初の画面では左側メニューの「Disk Groups」を選択し、[Create」ボタンをクリックします。

 

まずは、Oracleデータ領域用のASMディスクを作成します。今回はそれぞれ下記のようにパラメータを指定した後、「OK」ボタンを押下し作成しました。
Disk Group Name:DATA
Redundancy:External

Allocation Unit Size:4MB
Disk Path:/dev/oracleasm/disks/DATA

  

次に、Oracleリカバリ領域用のASMディスクを作成します。今回はそれぞれ下記のようにパラメータを指定した後、「OK」ボタンを押下し作成しました。
Disk Group Name:RECO
Redundancy:External

Allocation Unit Size:4MB
Disk Path:/dev/oracleasm/disks/RECO

最終的には下記画像のようなASMディスクの構成となりました。

 

Oracleデータベースインストーラの配置

双方のOraマシンにoracleユーザでSSHログインし、下記コマンドよりORACLE_HOMEディレクトリを作成しておきます。

mkdir -p /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
chgrp oinstall /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1

 

作成後、Ora01マシンに対して、あらかじめダウンロードしていたOracleデータベースのインストーラ(LINUX.X64_193000_db_home.zip)を配置します。今回は下記画像のように、WinSCPを使用しoracleユーザでログインして、先ほど作成したORACLE_HOMEディレクトリ(/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1)のパスにインストーラを配置しました。

 

配置後は、再度oracleユーザでSSHログインし、「cd /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1」コマンドでインストーラ配置先のパスに移動した後、「unzip -q LINUX.X64_193000_db_home.zip」コマンドを実行し、解凍しておきます。

cd /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
unzip -q LINUX.X64_193000_db_home.zip

 

Oracleデータベースインストーラの実行

インストーラを配置したOra01マシンに対してvSpher ClientなどからoracleユーザでGUIログインし、「cd /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1」でインストーラ配置先のパスに移動した後、「./runInstaller」コマンドを実行してOracle Database Installerウィザードを起動します。最初の画面では「Set up Software Only」を選択し、「Next」をクリックします。

cd /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
./runInstaller

次のステップでは、RAC One Node環境構成のために「Oracle Real Application Clusters Database Isntalation」を選択して、「Next」をクリックします。

次のステップでは、Ora02ノードを選択し、「SSH Connectivity」をクリックして、oracleユーザのパスワードを入力し、「Setup」を実行します。これにより、oracleユーザがsshキーを介した接続が行えるように構成されます。実施完了後、「Next」をクリックします

 

次のステップでは、エディションとして「Enterprise Edition」を選択し、「Next」をクリックします。

 

次のステップでは、Oracle Baseパスの設定を行います。今回は「/u01/app/oracle」を入力し、「Next」をクリックします。

 

次のステップでは、Database Administrator、Operator、Backup & Recovery、Data Guard administrative、Encryption Management administrative、RAC administrative用のグループを指定します。今回はそれぞれ下記のように指定しました。
Database Administrator:dba
Database Operator:oper

Database Backup & Recovery:backupdba
Data Guard administrative:dgdba
Encryption Management administrative:kmdba
RAC administrative:racdba

設定後、「Next」をクリックします。

次のステップでは、構成スクリプトに関する設定を行えます。今回は「Automatically run configuration scripts」のチェックを外したまま、「Next」をクリックします。

次のステップに進むと、インストール実施のための構成チェックが行われます。今回は検証用に作成しているのみですので、DNS関連の問題が出力しておりますが、インストールの実施自体は可能ですので、「Ignore All」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。

最後にSummary画面に遷移するので、内容を確認し「Install」をクリックします。

インストールプロセスが開始されます。しばらくすると「Execute Configuration Scripts」画面がポップアップされます。

 

対応として、各OracleノードにrootユーザでSSH接続し「root.sh」をOra01→Ora02の順で実行します。

まずはOra01マシンで「/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/root.sh」コマンドを実行します。

/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/root.sh

Ora02マシンでも同「root.sh」コマンドを実行します。

完了後、インストールウィザード画面に戻り、「Execute Configuration Scripts」画面の「OK」ボタンを押下し、インストールを再開させます。インストール終了後「Close」を押下し、インストールウィザードを閉じます。

Oracleデータベースの作成

Ora01マシンに対してvSpher ClientなどからoracleユーザでGUIログインし、「$ORACLE_HOME/bin/dbca」コマンドを実行してOracle Database Configuration Assistantウィザードを起動します。最初の画面では「Create a database」を選択し、「Next」をクリックします。

$ORACLE_HOME/bin/dbca

次のステップでは、詳細な構成を行うため、「Adyanced configuration」を選択し、「Next」をクリックします。

次のステップでは、RAC One Node構成のため、以下項目を設定し「Next」をクリックします。
・Database Type: Once RAC One Node database
・Confuguration Type: Admin Managed
・Select a template: Custom Database

 

次のステップでは、すべてのOracleノードを選択し「Next」をクリックします。

 

次のステップでは、SID名などを指定します。今回は以下項目を設定し「Next」をクリックします。
・Global Database name: orcl.oracle.com
・SID Prefix: orcl
・Service name: oracle
・Create as container database: 有効化

次のステップでは、REDOログと制御ファイルを冗長的に配置するために「Use Following for the database storage attributes」を選択し、「Multiplex redo logs and control files」を押下、ポップアップしたウィザードで「+DATA」と「+RECO」を追加します。
その後「OK」をクリックし「Next」をクリックします。

リカバリ領域の指定のため、「Specify Fast Recovery Area」を有効化します。今回は「Enable archiving」も有効化し「Next」をクリックします。

導入するデータベースコンポーネントを選択します、今回はいずれも選択せず「Next」をクリックします。

次のステップでは、メモリの割り当てといった構成オプションを指定します。今回は「Character sets」タブを選択し言語設定などを下記パラメータに変更しました。それ以外の設定はデフォルトのまま「NEXT」をクリックします。
Default language: japanese
Default territory: japan

 

次のステップでは、データベースの管理オプションを設定します。今回はCVUのチェックを定期的に実施するために「Run Cluster Verification Utility (CVU) checks periodically」のみ有効化し「NEXT」をクリックします。

 

次のステップでは、各データベース管理者ユーザのパスワードを指定します。今回は「Use the same administrative password for all acounts」を選択し、一律でパスワードを設定しました。設定後「Next」をクリックします。

 

次のステップでは、データベース作成オプションを設定します。今回は「Create database」、「Save as a database template」、「Generate database creation scripts」を全て有効化し、「Next」をクリックします。

 

次のステップに進むと、データベース作成実施のための構成チェックが行われます。今回は検証用に作成しているのみですので、DNS関連の問題が出力しておりますが、実施自体は可能ですので、「Ignore All」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。

最後に「Summary」画面に遷移するので、内容を確認し「Finish」をクリックします。

 

データベースの作成プロセスが開始されます。今回の環境では完了まで1時間弱かかりました。インストール完了後「Close」ボタンでウィザードを終了させます。

Oracle RAC One Node環境が構成できているかの確認

いずれかのOraマシンにgridユーザでSSHログインし、下記コマンドを実行、各リソースのステータスがSTABLEとなっていることを確認します。また「ora.orcl.db」のServerも確認しておきます。下記画像の場合「ora02」がoracleが稼働しているノードとなります。

crsctl stat res -t

次にいずれかのOraマシンで下記コマンドを実行します。この結果からも現在Oracleが稼働しているノードを確認できます。

srvctl status database -db orcl

 

次にOracleが稼働しているノード(今回の場合は0ra02マシン)にoracleユーザでSSHログインし、下記sqlplusコマンドを実行、Oracleに接続し、下記selectコマンドでインスタンス名を確認します。Oracle RAC One Nodeの場合「SID名_1」か「SID名_2」になっていることが確認できます。

sqlplus / as sysdba
select instance_name from gv$instance;

  

最後にライブフェイルオーバも試してみます。いずれかのOraマシンで下記コマンドを実行します。(今回はora01ノードにライブフェイルオーバするので「-node ora01」と指定しています。)

srvctl relocate database -db orcl -node ora01

ライブフェイルオーバ実行後は、ライブフェイルオーバされたOraマシン側で再度下記コマンドを実行していきます。今回の場合「ora01」ノードでOracleが稼働し、インスタンス名もOra01ノードのものに変更されていることが確認できます。

srvctl status database -db orcl
sqlplus / as sysdba
select instance_name from gv$instance;

 

これでOracle RAC One Node環境の構成が完了しました。最後に弊社取り扱いソフトウェアのSyniti Replicateを使用して、Oracle RAC One Node環境データのレプリケーションを試してみたいと思います。

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