Veeam B&R Ver8から新しいレポジトリのタイプとしてData Domainが追加されます。これによりData Domain Boost機能とVeeamでのバックアップを統合して使用することが可能になりました。
Data Domain Boostの機能を利用することで以下のような高速化が可能にあります。
・ソース側での重複排除機能
Data Domainのストレージ上に既に配置されているデータを送信しないように、Veeam(ソース)側で高度な重複排除を実施することが可能です。
これにより、通常のバックアップでの転送量の削減が見込めるのはもちろんのこと、アクティブフルバックアップ(VMを全て読み取りフルバックアップを完全に新規作成)でも既に対象の仮想マシンのバックアップが存在すれば、そのデータは重複排除されますので転送量を大幅に削減できます。
・合成フルバックアップの高速化
通常、合成のフルバックアップを作成する際にはデータを物理的に移動し、新規作成します。そのためI/Oの遅いNASなどへバックアップを行っている場合はこれの作成に時間がかかってしまいます。
しかし、Data Domain Boostを使用することで既存のデータを論理的に移動し合成フルバックアップを作成できますので、合成処理の時間を大幅に短縮できます。
開発元のテストではData Domain Boost無しで合成フルバックアップを実施した場合、2時間54分かかっていた処理が、Data Domain Boostを有効にすることで11分となり、合成フルバックアップ作成時の処理が約15倍、高速なりました。
各々の環境、データプロファイルでどれほど高速化が可能かは異なってきますが、このテストでは完全にランダムな100GBのデータを仮想マシンに追加しています。
また、設定も簡単です。Data Domainのサーバ名を指定し、認証情報を登録、バックアップ先のパス指定を行うことで設定できます。
さらに、サーバ名の指定の設定の下のチェックボックスでFC接続を使用するよう設定することも可能です。これによりLANフリーなバックアップも実現できます。
関連トピックス
- EMC DDBoostで高速にアクティブフルバックアップ [Veeam Backup & Replication]
- EMC DDBoostでマージ処理も高速に [Veeam Backup & Replication]
- バックアップモードによる保持するバックアップファイルの違い【Veeam Backup & Replication】
- VBK、VRB、VIBファイルの違い【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
- Ver9新機能予告 バックアップ先ストレージとの統合
- ジョブのスケジュール設定の落とし穴(フルバックアップスケジュール)【Veeam Backup & Replication】
- Fast Clone(高速クローン)機能で高速バックアップを実現、プラクティスから既存リポジトリの構成変更手順まで[Veeam Backup & Replication]
- CloudBerry BackupによるSynthetic Full Backup(合成フルバックアップ)
- Backup Mode「Reversed Incremental」の説明【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
- Veeam v12でバックアップコピーが強化!スケジュールでのジョブ実行などが可能に