Veeam Backup & Replication Ver8ではさらにユーザがRTOを強化できるようにレプリケーション機能を強化します。
●バックアップからのレプリケーション
Ver8ではユーザはレプリケーション・ジョブがVMデータを取得する場所を選択できます。通常の運用ストレージからの取得に加えて、バックアップ・ファイルからVMデータを取得しレプリケーションすることができます。これにより同一VMに対して複数のレプリケーションを構成する場合も運用環境から複数回データを取得する必要がなくなるため、運用ストレージに対するデータ保護の処理でのインパクトを抑えることができます。
レプリケーションジョブウィザードの仮想マシンの登録画面でSourceから設定可能です。指定したリポジトリ内のバックアップファイルから対象仮想マシンの最新の世代をレプリケーションします。
●レプリケーション・ジョブ用の組み込みWANアクセラレータ
Ver7で「Backup Copy」ジョブ(2次バックアップ)用のWANアクセラレータがリリースされました。この組込み機能によりユーザは高価なサードパーティによるWANアクセラレータを使用する必要がなくなりました。Ver8ではバックアップ・コピー・ジョブと同様にレプリケーションでもWANアクセラレータを使用できます。また、ユーザはジョブがスタートする前に既に存在するバックアップ・レポジトリからのキャッシュを作成可能になります。
●フェイルオーバー・プラン
どのように仮想マシンを起動するかをプランとして作成が可能です。各複製VMを起動する順番、待ち時間(Delay)、フェイルオーバー前後でのPre/Post処理の設定を行い、必要な時にそのプランをワンクリックで開始できます。これにより、複製VMの起動する順番、起動までの時間を設定することで、ユーザはゲストOS内のサービスの起動に合わせて、他のVMを起動可能です。
またユーザは複数のフェイルオーバー・プランを作成できるため、フェイルオーバー・プランにより複数VMからなるサービスが正常に起動した後に、DRサイトに十分なリソースがあることを確認し、別のフェイルオーバー・プランを開始できます。
Enterprise ManagerというWeb UI経由してiPad等のモバイル端末からも開始可能です。
フェイルオーバー・プランはv7から追加されたSureReplicaの技術を基礎にして追加された機能であり、十分なテストが行われています。また、SureReplicaにより、運用環境に影響のない隔離環境(Virtual Lab)でフェイルオーバー検証を自動化できます。
●計画済(プランド)フェイルオーバ
計画済みフェイルオーバーは、自動でソースVMのシャットダウンからターゲット(複製)VMの起動までを行うための機能です。これによりデータセンターの移行や、メンテナンスを容易にします。
計画済みフェイルオーバーはデータ損失無く行われますが、若干のダウンタイムを要求されます。計画済みフェイルオーバを実行した時にソースVMはシャットダウンされ、最後の変更がターゲットVMにレプリケーションされた後に、ターゲットVMが起動します。
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