災害対策DRを考えたときに、リモートサイト(遠隔地)への2次バックアップは必須です。ただ、自社でDRサイトを構築・運用するには巨額の投資が必要であり、プロバイダのDRサービス等を利用していくことも選択肢に入れる必要があります。
しかし、この場合にも専用回線もしくはVPNの構築、専用の保存先の用意など大きな手間がありました。Veeamではこの問題を解決するためVeeam Cloud Connect機能をVer8から新たに追加します。これによりVeeamを利用しているプロバイダとお客様間で簡単に安全なクラウドリポジトリを構築/提供し、利用できます。
Veeam Cloud ConnectではプロバイダがCloud GatewayというVeeamの新しいコンポーネントを用意し、各ユーザはインターネットで直接、これ接続します。この際の通信はSSL暗号化で保護され単一のTCPポートを使用します。
・CloudGatewayの準備(プロバイダ)
1.証明書の準備
SSL通信で使用する証明書をストアから選択、もしくはインポートします。
2.Cloud Gatewayの作成
Cloud Gatewayのコンポーネントを配置するサーバを選択します。この際に使用するポートも指定します。そして、ユーザがアクセスするグローバルIPアドレスを持つNICを選択します。NAT環境の場合にはNATのグローバルIPアドレスとポートフォワーディングのポート番号を指定します。
3.ユーザの登録
Cloud Gatewayに接続するユーザを登録します。接続可能な期間やそのユーザが使用するリポジトリ、最大容量、WANアクセラレータの使用有無などを設定できます。
これで、プロバイダ側の設定は完了です。このように簡単なウィザードでCloud Gatewayを作成できます。また、PowerShellでの自動化やRESTful APIによる既存のポータルサイトへの統合なども行えます。
・サービスプロバイダの登録(ユーザ)
ユーザは新たに追加されたService Provider項目にプロバイダのDNS名もしくはIPアドレスを入力し、ユーザ名とパスワード指定することで簡単に登録を行えます。
登録が完了するとプロバイダのストレージが通常のリポジトリと同様に追加されますので、これをバックアップコピージョブなどに指定し、簡単にDRサイトへ2次バックアップが可能です。
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