Veeam ONE v8 – さらに強化された仮想環境のモニタリングとデータ保護のアシスト機能


Veeam社は、VMwareおよびHyper-V環境対応の仮想マシンデータ保護ソフトVeeam Backup & Replicationの、さらなる利便性の向上を指向したバージョン8をリリースいたしました。
同時に、姉妹製品で同じくVMwareおよびHyper-V環境対応の仮想環境モニタリングソフトVeeam ONEもバージョン8がリリースされました。

このVeeam ONEバージョン8では、デザイン面では青を基調としたフラットデザインを採用し、Veeam Backup & Replicationとの連携強化による仮想環境のデータ保護を支援、インフラストラクチャのリソース評価を行いやすくするレポートの追加、管理可用性の向上を図る新機能が追加されました。

本記事では具体的にどのような新機能が追加されたかを紹介いたします。

インフラストラクチャリソースの評価

運用環境のデータストアのリソース利用状況には細心の注意を払う必要があります。
ストレージのレイテンシやIOPsの悪化は、仮想マシンの処理速度や操作性を悪化させるため、ユーザーエクスペリエンスの低下を招きます。

Veeam Backup & Replicationを含む多くの仮想マシンバックアップツールは当然ストレージへアクセスして仮想マシンデータを取得するため、ストレージの負荷がかかりやすいです。

幸い、Veeam Backup & Replication バージョン8 にはBackup I/O Controlという、ストレージへの負荷を軽減できる機能が搭載されましたが、この機能を利用する必要があるか、あるいはどの程度I/Oの制約をかけるべきかは事前に調査・確認する必要があります。

Veeam ONE バージョン8 では、データストアのレイテンシやIOPsの状態を一覧で閲覧できるDatastore Performance Assessmentレポートが用意されました。

これにより、レイテンシが高めのデータストアを一度に確認でき、そのデータストアからのバックアップに際してBackup I/O Controlを使用して、バックアッププロセス終了時のスナップショット統合処理の負荷による打撃を回避できます。

Veeam Backup & Replicationの設定評価

Veeam Backup & Replicationのバックアップジョブの処理効率を上げる方法は複数ありますが、どれを適用するのがふさわしいかに関してはこれまでは散在しているデータを方々からかき集めてそれらから手探りの状態で考えなければなりませんでした。

Veeam ONEバージョン8で追加されたBackup Infrastructure Assessmentレポートでは、パフォーマンス改善のために、これまで散在しているデータを自動的に集約し、それをもとにベストプラクティスが実施できているか否かの判定を行い、改善策の提示を行います。

Infra_Assesment

データ保護の有無をリアルタイムに確認

仮想環境においては日々仮想マシンが作成・移動・削除していきます。
最近では仮想マシンの自動展開や、部門それぞれが自身のリソースプール内で自主的に仮想マシンの作成を行う「セルフサービス」の体勢を取る環境も多くなってきました。
このような環境において、どの仮想マシンがデータ保護の恩恵を受けているかがわかりづらくなっていきます。

Veeam ONEではこの問題に対応するため、以前からVeeam Backup & Replicationによるデータ保護を受けていない仮想マシンを一覧表示するレポート「Protected VMs」を用意していましたが、最新バージョンからはVeeam ONE Monitor上からも確認できるようになりました。

各仮想マシンのSummaryタブでは最後に取られたバックアップが何日前かが確認できます。
また、デフォルトでは無効化されていますが、一定期間以上バックアップが取得されていない場合に発動するアラーム「VM with no backups」も用意されています。

vm_with_no_backups

バックアップの監査とコンプライアンス

複数の拠点がある場合などに、それぞれのバックアップ担当者を決め、チームを組んで運用することがあります。
この運用体勢では、ある担当者のバックアップジョブの設定を、別の担当者が何らかの理由で変更することがあります。
こういった情報は、バックアップ内規の順守やジョブ設定の監査に必要な情報ですが、手動で記録を取るのは大変な作業です。

Veeam ONEではこういった変更を蓄積し、誰がいつどのような変更を行ったかを表示するBackup Job Configuration Change Trackingレポートが用意されています。
このレポートを利用すれば、過去の変更を確認できるため、履歴から変更を元に戻すことが可能になります。

このほか、すでにバックアップ対象ではないのに、既存のバックアップファイル内にデータがある仮想マシンを把握するためのOrphaned VMsレポート、テープバックアップで使用されたテープやすでに不要となったテープ、そして現在使用中のテープを把握できるTape Vaults Overviewレポートがあります。

Compliance_Audit

vSphere Tagsとの連携

vSphere Tagsでは従来のフォルダのような単層での分類ではなく、タグにより重層的分類が可能となるため、vSphere管理者から人気を得つつある機能です。
Veeamの最新版では、vSphere Tagsを利用できます。このタグ単位でのバックアップを取得することもできます。

vSphere からは自動的・動的にタグを割り当てることができません。しかし、Veeam ONE Business Viewで適切に設定を行えば、Veeamが代行する形で自動的・動的にタグ割り当てを行うことが可能となります。
これにより、仮想マシンが自動展開される環境における管理可用性が大幅に向上します。
この機能は無料版からも使用可能です。

vSphere_Tags

マルチテナントのモニタリング・レポート

多くのサービスプロバイダーからのリクエストを受け、Veeam ONE v8ではマルチテナント環境に対応したモニタリングが可能となりました。これにより、各テナントのユーザーが自分自身のリソース情報を簡単に確認することが可能です。
このユーザーはvCenter ServerやvCloud Directorですでに割り当てられているユーザー権限を使うことが可能です。
情報を取捨選択することにより、トラブルシューティングをやりやすくします。

Multi-Tenant

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