今回はFAS、E-シリーズ、AltaVaultといった各NetAppストレージとVeeamを組み合わせて使用した場合の利点をご紹介しています。
VeeamのNetApp統合(vSphereの場合):ALL FAS
NetAppストレージとの統合はストレージスナップショットによる超高速なバックアップと簡単、高速なアイテム単位でのリカバリを可能にします。NetAppのSnapshot、SnapMirror、SnapVault技術を使用し、確実なエンタープライズレベルでのデータ保護を実現し、Veeam Backup & ReplicationによるイメージベースのバックアップとNetAppのスナップショットは互いにデータ保護戦略を補完しあい、包括的なバックアップ、リカバリ計画の一環としてNetAppのスナップショットを活用できます。
NetAppストレージスナップショットからのバックアップ
NetAppストレージスナップショットからの直接リストア
ストレージスナップショットのみのバックアップ
サポートするNetAppストレージシステムとしては「OS:Data ONTAP、バージョン:8.1以降、モード:7-modeもしくはC-mode、プロトコル:iSCSI、FC、NFS」となっています。また、FASアレイの構成により必要なNetAppのライセンスが変わってきます。
NFS | iSCSI/FC | |
7-Mode | ・ Flexclone (プライマリ、推奨) ・ SnapRestore(代替*) ・ NDMPトランスポート (代替*) |
・ Flexclone (オプション、推奨) ・ 従来のクローン(代替) |
C-DOT | ・ SnapRestore(優先) ・ FlexClone(代替) |
・ FlexClone(優先) ・ SnapRestore(代替) |
*FlexCloneライセンスなしで実行する場合、VMリストア、ファイルリストア、アイテムリストアのデータ転送に悪影響を与える可能性があります。
ストレージスナップショットからバックアップを行う最も大きな利点はVMwareのスナップショットによる仮想環境への影響を最小限にできることです。データ転送はストレージのスナップショットから行われるため、VMwareのスナップショットは静止点の取得のためのみに利用されます。これによりデルタファイルは最小になり、スナップショットの削除等による仮想環境への影響を最小限にできます。
そして、Veeamであればストレージのスナップショットからも各種リストアが可能です。ストレージスナップショット内のVMを指定し簡単にVMのリストア、ゲストファイルのリストア、各種アイテムのリストアを行えます。
また、ストレージスナップショットのみの連携も可能であり、イメージベースのバックアップを取得せず、NetApp SnapShotのみを残すことや、SnapMirror、SnapVaultと連携することもできます。
NetApp E-シリーズ アレイをVeeamのリポジトリとして利用
NetApp E-シリーズ アレイはVeeamが作成したイメージベースのバックアップを保存するためにの高パフォーマンスなリポジトリとして利用できます。VeeamではインスタントVMリカバリやSureBackup、オンデマンドなサンドボックスでバックアップのデータ転送を行わず、バックアップから直接仮想マシンを起動できます。そのため、保存先であるリポジトリのI/Oパフォーマンスが高ければ最大限にこのような機能を活用できます。これにより、データ保護だけにバックアップを使用するのではなく、復旧検証やパッチ等の各種テスト、トレーニング用の一時的なマシンとしてバックアップを活用できます。
Veeam & AltaVault
NetApp AltaVault(旧SteelStore)はクラウド統合のアプライアンスであり、パブリック、プライベートクラウドをデータ保護戦略の一部として活用できます。組み込みの圧縮と重複排除によりAltaVaultは必要な容量を削減し、バックアップの保護期間の要件を満たすことができます。AltaVaultの圧縮、重複排除を最大限利用し、週ごとの独立したバックアップのつながり(チェイン)作成するために、AltaVaultをリポジトリとして利用する場合には以下のような設定を推奨しています。
• バックアップモード – Incremental(増分)+ 週次でのactive fullバックアップ
• 重複排除 – Enable inline data deduplicationのチェックを外す
• 圧縮レベル – none
• ストレージ最適化 – Local target
この設定により、バックアップファイルがクラウドに移動する際にはAltaVaultの高い重複排除により、データ量が削減され低帯域で転送されます。ただし、AltaVaultアーキテクチャではVeeamのvPower機能(インスタントVMリカバリやSureBackupなど)をプライマリのストレージで実行した場合と同様に高速には実行できません。これはその他の重複排除ストレージと同様です。
また、AltaVaultは2次バックアップのためのCIFSのリポジトリも提供できます。これによりいくつかの簡単な設定でAltaVaultをバックアップのローカルのコピーとクラウドベースのバックアップ両方で利用できます。ファイルやアプリケーション、VMの障害に対してはローカルコピーからの高速な復旧を、そして災害等によるサイト全体での障害に対してはクラウドベースのバックアップを活用し、復旧できます。
このように、VeeamとNetAppを組み合わせて使用することで要件に合わせた様々なデータ保護戦略をとることが可能です。
ALL FAS
機能 | IT利点 | ビジネス利点 |
NetAppスナップショット+Veeamバックアップ | 低RPOアプリケーションの整合性 | 最小限のデータ損失環境への影響をほぼ0に |
Veeam Explorer for Storage Snapshot | パフォーマンス低下のない高速なRTO | ダウンタイムによる損失の削減 |
スナップショット連携と単一コンソールからのバックアップ管理 | 簡単な管理、メンテナンス | 管理のオーバーヘッドを削減 |
E-シリーズ リポジトリ
機能 | IT利点 | ビジネス利点 |
コストパフォーマンスとサイズ | 低いラックスペース、電力、冷却の要件 | オペレーションコストの削減 |
高パフォーマンス アレイ | 各種リストアで高速なリカバリが可能に | ダウンタイムによる損失の削減 |
複数の接続オプション | 既存環境への簡単な実装 | 構築コストの削減 |
AltaVault
機能 | IT利点 | ビジネス利点 |
ハイブリッドクラウド リポジトリ | ローカルバックアップと同様なクラウドベースのバックアップ | 災害対策のコストを削減 |
ストレージ効率 | バックアップのための低いストレージ要件 | バックアップストレージのコスト削減 |
安全で自動的なクラウドベースのバックアップ | 迅速な実装、最小限の管理 | 管理コストの削減 |
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