Ver9新機能予告 複数のリポジトリを組合せたスケールアウトなバックアップリポジトリ (SOBR)


次の画像を見てください。これらはすべてバックアップリポジトリです。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?最も一般的な原因は、複数の物理ストレージデバイスがバックアップ先として使用されることにあります。また、別の原因としては、ストレージデバイスの最大ボリュームに制限があるということです。そのため、大規模な環境であればあるほど、このような状況に陥ることがあります。

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さらに、Freeのカラムを見てください。大量の無駄になっているディスク領域があることがわかります。しかし、将来の仮想マシンの増大を考慮するとバックアップリポジトリに対して、仮想マシンの数を控えめにせざるを得ません。そうしなければ、将来的にリポジトリのディスク領域が不足し、バックアップに失敗するかもしれないからです。そして、新たにストレージを買い足す必要が出てくるかもしれません。

使用可能なストレージリソースを最大限に活用するために、バックアップジョブのターゲットとなるバックアップリポジトリをいちいち選択しなければならないのは面倒です。この面倒な作業をきっぱりと止め、既存のストレージをより有効に利用するための新機能がスケールアウトバックアップリポジトリ(Scale-Out Backup Repository: SOBR)です。スケールアウトバックアップリポジトリは簡単に言うと、複数のリポジトリを単一のプールに統合し、そのプールをバックアップジョブやバックアップコピージョブのターゲットとして使用します。

グローバルプール
まず、規模の大小を問わず、スペースが不足したらリポジトリを簡単に拡張することができます。ユーザは、時間がかかり、面倒なバックアップチェーンの再構成を行う代わりに、既存のスケールアウトリポジトリに新しいエクステント(つまり、「通常の」バックアップリポジトリ)を追加することができます。既存のバックアップファイルはすべて保存され、さらに、追加のリポジトリをグループに追加しても、バックアップのターゲットは変わりません。しかも、追加された空きスペースは、すぐに使用できます。

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この機能により、たとえVMの数が数千台に及んでも、環境全体を単一のジョブで保護することができます。これは、VMごとのバックアップチェーン(v9に導入されるもう1つの優れた機能)と組み合わせたときに特に顕著です。そのジョブのターゲットをスケールアウトリポジトリに指定するだけです。リポジトリ別に容量を管理したり、ジョブサイズのプランニングをやり直したりする必要はありません。

既存ストレージの有効利用
スケールアウトリポジトリにノードが追加されると、追加の領域やコンピュータリソースが利用可能になりますが、それだけでなく、異なるストレージシステム(ローカルやDASストレージ、ネットワーク共有、重複排除ストレージを備えたWindowsやLinuxサーバなど、Veeamによってサポートされるすべてのバックアップ先)を組合せて一つにすることができます。そして、複数のサーバに分散した多数の空き領域を持つサーバをスケールアウトリポジトリに追加すれば、有効利用することができます。この空き領域を使い果たすまで、新たにストレージを買い足す必要はありません。

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より重要なのは、スケールアウトバックアップリポジトリは、ソフトウェア定義のストレージ技術であるということです。これは、どのようなストレージソリューションでも、そのすべての単一機能が維持されることを意味します。例えば、スケールアウトバックアップリポジトリを使用する場合でも、重複排除アプライアンス(EMC Data Domain, HP Catalyst, ExaGrid appliance)を使用することができ、その独自のAPIを活用して、データの大幅な削減とパフォーマンスの向上を実現することができます。このように、ご使用の環境で使用可能な、またはこれから取得しようとしているすべての種類のリポジトリを組み合わせて一つにすることができ、その高度な機能もそのまま活用することができます。

このソリューションも、特定のハードウェアおよびストレージにまったく限定されないというVeeamの最も重要な設計目標を踏襲しています。データセンターにすでにあるストレージを活用し、既存のリソースを完全に使い果たすまで、新たにストレージを購入する必要はありません。

ストレージの使い分け
バックアップストレージには様々な種類があり、それぞれに用途が異なります。そこで、スケールアウトバックアップリポジトリでは各エクステントに「役割」を割り当てることができます。グループのリポジトリごとに、完全バックアップ、増分バックアップ、またはその両方のどれを受け入れるかを定義します。異なる特性を持つ複数のリポジトリを一つのグループにまとめることで、グループに含まれる特定のストレージデバイスの長所をシームレスに活用するように設定することもできます。

Veeamバックアップに対する変換操作の例を取り上げてみます。変換操作が発生すると、2回のI/O操作で、最も古い増分ファイルが完全バックアップファイルにマージされます。多くのローエンドのバックアップストレージシステムでは、このランダムI/Oに十分に対応できず、ユーザは結局、アクティブな完全バックアップを選択することになるので、IOPS(Input/Output operations Per Second:1秒間の入出力回数)が低下するだけでなく、永続的な増分バックアップの利点も失われます。ここで、別の単純なJBOD (Just a Bunch Of Disks:単なるディスクの束)を最初のリポジトリに追加した場合を考えてみます。スケールアウトバックアップリポジトリは、まったく異なる、効果的な方法で機能させることができます。増分バックアップを一方のエクステントに割り当て、完全バックアップを他方のエクステントに割り当てることにより、変換操作が発生すると、2回のI/O操作のうちの一方のI/O(読み取り)が、増分バックアップを保持しているリポジトリによって実行されるようになり、完全バックアップを保持しているリポジトリで実行されるのは、1つのI/O(書き込み)だけになります。フラッシュ、キャッシュ、または他のメカニズムを追加しなくても、スケールアウトバックアップリポジトリは、変換操作のパフォーマンスを直ちに2倍以上向上します。

次に、JBODと異なる特殊化されたエクステントの集まりについて考えてみます。増分バックアップを高速で実行するための非常に高速なオールフラッシュアレイと、複数のGFS(Grandfather-Father-Son)完全バックアップを保持するための汎用的な重複排除アプライアンスを組み合わせるとどうなるでしょう。2つのまったく異なるソリューションを組み合わせて、それぞれの能力を最大限に活用すると同時に、それらの制限を取り除くことができます。

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