シカゴで5月14日から行われている仮想環境のデータ保護、可用性ソリューションを提供するVeeamのイベント、VeeamONのセッションの様子をご紹介します。今回のVeeamONではActivateがメインテーマとなっており、これからのVeeamを感じさせる内容となっています。
General Session
まずはジェネラルセッションの様子です。前半は、Veeamのビジョン、後半はユーザ、パートナーとの対談です。
・Veeamビジョン要約
個人情報などのクリティカルなデータ、非構造データ、IoTなどによるデータの成長、SaaS、プライベート、パブリッククラウドと様々な環境にあるデータ、これらの保護するためには単純な可用性(Availability)ではなく、さらに高度な可用性(Hyper Availability)が必要になります。これを達成するためには、インテリジェントなデータ管理を実現しなければいけません。これは大きく5つのステージに分かれており、通常のバックアップ、それの集約、可視化、オーケストレーション、自動化というように、単純なポリシーベースの管理から、ビヘイビア(振る舞い)ベースの自動管理を目指す必要があります。
例えば、VeeamとHytrustを組み合わせることで、ユーザの振る舞いに基づきバックアップを実施するようにです。
VeeamはこのようなHyper Availabilityなプラットフォームの提供目指します。
既に提供しているような、バックアップと復旧、レプリケーションとフェイルオーバー、Virtual Labによるデータ活用、それらのユニバーサルなAPIからの活用にとどまらず、これからはそれらの機能を様々なクラウド環境にわたるデータ、アプリケーションに拡大、そしてそれらの単一ペインでの可視化とコントロール、自動化を提供していく予定です。
つづいてBreakout Sessionの様子です。
Archive to Azure Data Box and Veeam
日本のリージョンでは提供されていませんが、大容量のデータをAzureに持っていくための仕組みとしてAzure Data Boxというサービスが提供されています。これを使って帯域が細いような場合にも、Azureへフルバックアップを持っていき、増分のみを転送する仕組みを紹介。
1. ローカルのリポジトリに1次バックアップ
2. バックアップコピージョブでローカルにおいてData Box(CIFSリポジトリ)に2次バックアップ
3. Azure上にWindowsマシンを用意し、リポジトリとして登録
4. Data BoxのデータはBlob上に置かれるのでCloudBerry ExplorerなどでAzure上のWindowsマシンにコピー
5. VeeamマシンからAzure上のリポジトリをリスキャンして、バックアップファイルをインポート
6. バックアップコピージョブを再構成し、インポートしてバックアップファイルに対応付け
7. ジョブを実行するれば増分で実施される
Deep dive on Veeam AHV integration
VeeamのNutanix AHV統合に関して紹介。現状は初期のVeeam Agent(物理マシン用バックアップソフト)との統合のように基本的なバックアップとリストアはAHVにデプロイしたVeeamプロキシアプライアンスのWeb UIから実施し、Veeamのリポジトリへ、Veeam B&Rのコンソールからは2次バックアップやファイル/アイテムリストアのみの対応となっています。そのため、まだ、完全統合とは行きませんが、DSFスナップショットのCBTで永久増分バックアップが可能となっており、統合に向けた1歩目といったところになっています。
・AHV 5.1.1+ 5.5.x+
・Veeam B&R 9.5 update 3a
・アプライアンスの初期構成が必要(.vmdkをプリズムからデプロイ)
・4vCPU, 4GB RAM(preliminary)
Automate yourself out of a (Backup) job
Veeam PowerShellの使い方を実際のデモを交えて紹介。VeeamではPowerShellコマンドから一部の新機能以外、ほぼすべての機能を利用できます。そのため、PowerShellを活用すれば、VeeamへのvSphere環境の追加からプロキシやリポジトリといったコンポーネントの構成、ジョブの設定などまでスクリプトで自動化することも可能です。このため、主なコマンドの利用方法など。Veeam PowerShellのスクリプト入門としてわかりやすい内容でしたので別ブログにてより詳細に紹介予定です。
Backup configuration and policy management
Veeamの構成と管理に関するベストプラクティスや便利なツール(予定含む)を紹介。GitHubにて提供しているオープンソースのVeeam PowerShellスクリプトや仮想環境やVeeamの情報を収集し、ベストプラクティスに沿ったバックアップインフラストラクチャ構成に関する情報を提供するツールの使い方、実装予定の機能など。ジョブ設定をJSON形式(.BCX)で出力できるツールなど便利なものが多く、こちらも別ブログにて詳細に紹介予定です。
引き続き、セッション情報を展開していきますので、ご期待いただければ幸いです。
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