Zerto 9.0新機能 – ランサムウェア対策、長期保管、リストア機能強化、保護自動化等々


本ブログでは、Zerto v9.0で追加された機能にについてご紹介しております。

LTRのクラウド階層化(Amazon S3とAzure Storage)

Zertoではレプリケーションしたデータを長期間保管するための機能としてLTR(Long Term Retention)というものがあり、複製されたデータをジャーナル履歴として保持する他にさらにクラウド等のストレージに長期保管用のバックアップを残すことができます。階層化はAmazon S3またはMicrosoft Azure StorageタイプのLTRで利用可能であり、指定した期間が経過したフルバックアップを、より安価なストレージに自動的に移動し、アーカイブすることが可能です。

このLTR機能で保持するバックアップが特定期間を超えると長期保管に適したオブジェクトストレージへ自動的に階層化して保存することが9.0で可能になりました。

具体的にはAmazon S3の場合、デフォルトでは30日間経過するとS3 標準IAストレージクラス、90日間経過するとAmazon Glacierに移動します。

Azureの場合、 デフォルトでは30日間経過するとクール層に、90日間経過するとアーカイブ層に移動します。

LTRの不変(イミュータブル)オブジェクトストレージのサポート(Amazon S3)

Amazon S3で不変機能を有効化したバケットを利用するさいに、不変機能により保存されたバックアップファイルを削除や変更できないように構成可能になりました。この機能はAmazon S3のS3バケットのバージョン管理、S3オブジェクトロック機能(Write Once Read Many (WORM) モデル)を利用しているため、Amazon S3タイプのLTRでのみ利用でき、事前にS3バケットレベルでこれらの機能が有効化されている必要があります。

具体的にはリポジトリ設定で機能を有効化し、その際にVPGで設定された保持ポリシーに合わせて不変期間を指定するか、リポジトリで別途日数を指定するか選択可能です。

LTRのS3互換オブジェクトストレージサポート

LTR(長期保存用リポジトリ)としてCloudianなどのS3互換APIを提供するクラウドストレージをサポートしました。

LTRからのインスタントVMリカバリとファイルリストア

長期間保持しているバックアップからインスタントリカバリが可能になりました。VMのサイズに依存せずバックアップからも数分でVMを起動し、利用できるようになります。また、ファイルレベルリストアに関してもバックアップから実施できるようになります。

タグによるVM保護自動化

VPG(レプリケーション設定)で保護対象とするVMはv8.5まで手動で構成する必要がありました。このため、VMが動的に増加する環境では、そのたびに新たなVPGの構成や既存VPGへの追加が必要でした。
9.0ではvSphereタグを利用し、割り当てらたタグに基づき、テンプレートとして作成してあるVPGの設定で自動的に新たなVPGを作成、同名のタグを別のVMに割り当て場合にはそれを既存VPGに追加するといった自動化が可能になりました。

タグによりVPGが自動構成される様子。

ジャーナルからのインスタントVMリストア

バックアップ目的でローカル(自サイト内)でのレプリケーションを実施している場合、通常のフェイルオーバーを行うと、複製VMを新たに作成するため、オリジナルVMへの上書きリストアを実施したいという要望がありました。これに対応するために追加された機能がインスタントVMリストアであり、フェイルオーバーとは異なり、オリジナルVMに上書きする形式で、複製ディスクとジャーナルから、任意のチェックポイントの状態を迅速に復旧できます。

その他の新機能

VPGフィルタリング:VPG作成時に以下の3タイプから、そのVPGの種類を指定、Zertoユーザインターフェイス内で簡単にフィルタリングできるようになりました。
 ーRemote DR and Continuous Backup(リモートDRと継続的バックアップ
 ーLocal Continuous Backup(ローカルでの継続的バックアップ)
 ーData Mobility and Migration(データモビリティと移行)

バックアップ用の新しい分析レポート:災害復旧とLTRの間で、新しいトラブルシューティングの表示が可能になりました。LTRプロセスの健全性確認を行い、ステータス、データ使用量、期間を把握します。リポジトリ、VM、ボリュームレベルまで掘り下げて、具体的に障害を特定します。LTRタスクを特定のリポジトリ、操作VRA、またはVPG名でグループ化します。

新しいライセンス管理:Zertoは、特に大企業やMSPにとって、セキュリティを高め、拡張性を簡素化する新しいライセンス管理方法を導入可能です。従来のサイト間でライセンスを共有するモデルに加えて、新しいライセンスマネージャーから、エンドツーエンドの暗号化で安全に、ライセンスを配布、よりきめ細かい制御、ライセンスを追加や更新のための簡単なセルフサービスを可能にし、すべてのサイトと展開における消費量の完全な可視性を提供します。

Zertoセルフサービスポータル (ZSSP) でのファイルの復元:サービスプロバイダーの顧客テナントは、Zertoセルフサービスポータル (ZSSP) 内からZertoのインスタントファイルリストア機能にアクセスできるようになりました。

VMware Cloud Director (VCD) におけるElastic VDCのサポートとRTOの低減:マネージドサービスプロバイダーは、Zertoと統合されたVMware Cloud Director (VCD) 環境でElastic Virtual Data Centers (VDCs) を使用できます。Zertoは、このサポートを可能にするためにすべてのリカバリワークフローをリファクタリングし、VCD全体で、より効率的にした結果、VCDへのオペレーションの目標復旧時間 (RTO) が短くなりました。

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Zerto 9.0新機能 – ランサムウェア対策、長期保管、リストア機能強化、保護自動化等々 への1件のコメント

  1. climb のコメント:

    [プレスリリース] Zerto最新バージョン9の販売及びサポートを開始
    https://www.climb.co.jp/press/2021/0803.html

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