VeeamON 2021で脚光を浴びるKubernetes


今年もVeeamONが盛況のうちに幕を閉じました。完全バーチャルのVeeamONイベントとしては、おそらくこれが最後になるでしょう(と切に願います)。来年はラスベガス開催との発表もありました。いずれにせよ、このようなイベントは今後「ハイブリッド」になっていくのではないでしょうか。バーチャルの利用もすっかり定着し、ニーズも増えているし、プロダクトの最新情報を直接目の当たりにする機会も重要です。

Kastenにとっては、単なる戦略パートナーとしてではなく、Veeam ブランドとして今回が初めてのVeeamONでした。イベントは、Kubernetesとそのデータ管理についてもっと知りたいという参加者の熱意が強く感じられるものでした。Kasten主催のセッションへの関心も高く、多くの出席者が集まりました。特に、近い将来Kubernetesクラスタを管理するプラットフォーム運営者にはとても有意義なイベントになったのではないかと思います。

VeeamON 2021のオンライン プラットフォームは現在も有効で、すべてのセッションはこちらのリンクからオンデマンドで視聴可能です。

ここでは、Kubernetes運用上のベストプラクティスに焦点を当てたセッションをいくつかご紹介します。

Kubernetes Backup Best Practices Meets Pac-Man 

パックマンに見るKubernetesバックアップのベストプラクティス

Kastenのセッションはインタラクティブな盛り上がりで幕を開けました。セッション動画からもその熱気が伝わるとよいのですが、参加者は、あの往年の人気ゲーム「パックマン」でスコアを競い合い、ハイスコアの参加者は、おしゃれなカスタム スニーカーなどの商品を獲得しました。パックマンは、Kubernetesクラスタ上のアプリケーションがNode.jsによるユーザーインターフェースとスコアデータを保存するMongoDBでサポートされる構成で、Kubernetesによるミッション クリティカルなアプリケーション運用のシミュレーションとして使用されました。このセッションは、Kastenのコミュニティ ファースト テクノロジストMichael CadeとVMwareのto Dean Lewisの共同によるプレゼンテーションです。

Kasten K10 by Veeam: Kubernetes Backup and DR

デモで実証するKasten K10の機能性と柔軟性

このセッションは、Kasten K10の機能性に焦点を当てたデモです。とてもシンプルで使いやすいツールでありながら、データの保護はもちろん、柔軟性に優れている点をわかりやすく紹介しています。柔軟性の面では、バックアップを元の場所にリストアするだけでなく、別の場所にもリストアでき、まったく別のKubernetesクラスタを構成できる点が注目に値します。Kastenのエンジニアリング ディレクターTom Manvilleが実演するデモ セッションで、Kubernetesセキュリティの課題解決を目指すシステム管理者には必見です。

Peeling the Onion: K8s on VMware

VMwareでのKubernetes運用:一皮ずつ向けば必ず答えが見えてくる

ここ数年間、VMwareはvSphere Tanzuプロジェクトを通じて、Kubernetesへの戦略的な取り組みにかなり力を注いでいます。VeeamONに参加した視聴者にも、現在すでにvSphereで仮想マシンを運用していて、使い慣れたエコシステムを活用しながら、Kubernetesプラットフォームへの拡大を模索している方が少なくないようでした。このセッションは、コンテナがなぜここまで普及し、現在のIT環境に不可欠な存在となったのか、初心者にもわかりやすく解説するものです。動画中では、KastenのCTO、Vaibhav Kamraが説くKubernetesの重要性と、VMwareとの連携におけるオプションの紹介も聞くことができます。お見逃しなく。

Cloud to Cloud-Native Evolution: Backup Best Practices

クラウドからクラウドネイティブへの進化 ― バックアップのベストプラクティス

最後に紹介するのは、Kastenのコミュニティ ファースト テクノロジストMichael CadeとVeeamプロジェクト戦略部門のグローバル テクノロジストDavid Hillによるクラウドネイティブを主題としたセッションです。ワークロードのクラウドおよびクラウドネイティブ スペースへの移行が急増している背景や、近年の物理から仮想へのテクノロジーの進化、現在に至るデータの保存とアプリケーションへのデータ供給方法の選択肢と柔軟性の拡大について考察しています。データ管理の課題が不変である中、悪意ある攻撃や誤削除からデータを保護するニーズは複雑多様化しています。このセッションは、クラウドの抱える課題や、オンプレミス環境とクラウドネイティブの決定的な違いを分かりやすく嚙み砕いて伝えることに主眼を置いています。適正なワークロードを適正なツールで保護する方法や、ニーズに応じて利用可能なプラットフォームとサービスも紹介しています。

さいごに

KastenがVeeam傘下に入る前から、両社のプロダクトの統合は議論が続けられていて、今回のVeeamONはKasten K10とVeeam Backup & Replicationの統合プロジェクトの第一章を参加者と共有する絶好の機会となりました。一般セッションのNext Generation ITには、KubernetesバックアップをVeeam Backup & Replicationに送信する方法や、同じリポジトリから本番環境にリカバリするシナリオを実演する簡単なデモも含まれています。同様に、一般セッションの中で、KastenのGMであるNiraj Toliaが、データセンター管理者の役割の進化や、インフラストラクチャとデータ保護の革新が進む中でのコンテナ活用の展望についてコメントしています。

Kubernetesをすでに活用されている方も、導入を検討中の方にも、非常に有意義なコンテンツが目白押しです。オンデマンドでVeeamON 2021セッションをぜひ覗いてみてください。

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