バックアップとDR(災害復旧)ソリューションは同化しつつあります。大小を問わず、バックアップ ソリューションのベンダーは、DRとオーケストレーションをプラットフォームに組み込むことを目指す傾向にあります。
では、なぜ伝統的なバックアップ ソリューションは現在のリカバリ要件を満たせないのでしょうか?なぜ、業務上不可欠なアプリケーションのバックアップとして信頼しきれないのでしょうか?
そのような疑問に対し、この十年間DRソリューションで技術的に市場を牽引してきたZertoは、次のように考察しています。
伝統的なバックアップ ソリューションもこれまでイノベーションを繰り返してきましたが、それは、あくまで「イノベーションの上乗せ」であって、根本原理はずっと変わっていません。データをコピーしてどこかに保存する、という根本原理です。アプライアンス ベースやストレージ ベース、あるいは、新しいバージョンのバックアップであっても、これらのソリューションは以下の点で共通しています。
- VMスナップショットに対しては、ストレージ、パフォーマンス、本番環境における課題が残る
- RPO(リカバリポイント目標)が十分に短縮できない(すなわち、日次バックアップに依存)
- 複数VMにまたがるアプリケーションを1つの一貫したユニットとして単一ポイントにリカバリできない
- アーキテクチャが複雑で専用のストレージ、ソフトウェア エージェント、プロキシなどを必要とする
- スケーリングに難がある
目次
Zertoはここが違う
Zerto独自の継続的データ保護(レプリケーションおよびジャーナル技術)によって、業界でもひときわ優れたRPOとRTO(リカバリ時間目標)が達成でき、業務上不可欠なアプリケーションも完全に保護できる機能性をZertoは誇っています。システム障害の発生時も業務を中断することなく簡単にオペレーションを再開でき、そのレジリエンスはサイバー攻撃に対しても同様に発揮されます。
Zertoの特長は、バックアップとDRに次世代アーキテクチャを適用できる点です。ソフトウェアだけを使用したスケールアウト アプローチにより、データのスピーディーなリカバリと、スケーリングへの柔軟な対応が可能になります。単なるバックアップ ソリューションとの主な違いは、以下のとおりです。
- VMスナップショットは使用せず、レプリケーションを常時作動させます。日次バックアップや長めのRPOに依存する必要がなくなります。
- リカバリがジャーナル ベースなので、最大5秒間隔のチェックポイントを選択するだけで、ファイル、フォルダ、VM、アプリケーション、あるいはサイト全体が簡単にリストア/リカバリ可能です。
- アプリケーション中心型のリカバリで、複数VMにまたがるアプリケーションを単一の特定チェックポイントに一貫性を保ちながらリカバリできます。
要するに、Zertoの柔軟なソリューションは卓越したRPOでデータをどこからでも(たとえば、ローカルの本番環境や二次的サイトはもちろん、コスト効率の高いクラウド ストレージからも)リカバリ/リストア可能です。
ここでは、もっとも頻繁に使われるバックアップ処理 ― ファイル/フォルダの破損または誤削除からのリストアを見ていきましょう。
ローカルで継続的にバックアップ
ローカルで発生する諸々の問題には、ファイルの誤削除や、新しく導入したソフトウェアのバグだったり、アプリケーション オブジェクトを選択ミスしたり、ファイルやフォルダの上書き、あるいはマルウェアによるファイルの暗号化も考えられます。そのような比較的小規模のシステム障害では、一連のVMあるいはVM単体でも、DRサイトへのフェイルオーバーが保証されない場合があります。障害規模が限られる場合、目的はフェイルオーバーではなく、とにかく早くオペレーションを復旧させることになります。この「早く」は、言い換えると、なるべく少量のデータをなるべく短距離で移動させることを意味します。
伝統的に企業は、バックアップ アプリケーションがリストアを通じてリカバリ シナリオを完結させてくれることに依存していました(今でも依存し続けています)。しかし、Zertoの「1対多数」のレプリケーション機能を用いれば、本番環境や二次的なDRサイトへのレプリケーションが同時進行で行えます。このようなローカル レプリケーションは継続的バックアップのアプローチを実現し、アプリケーション、VM、フォルダ、ファイルを本番環境に影響を与えずにすばやくリストアすることを可能にします。従来のバックアップにありがちなデータを一部喪失するようなリスクもありません。Zertoのローカル継続バックアップのおかげで、Zertoユーザーは以下の処理を実行することができます。
- ファイルの誤削除からのリカバリ
- 破損データのリストア
- ランサムウェア攻撃の早期発見によるリカバリ(CryptoLockerなど)
DR(災害復旧)ソリューション
ローカル レプリケーションはZertoのレプリケーション機能の半分にすぎません。Zertoを使用してローカルでレプリケーションを行えば、バックアップの大半のユースケースを網羅しながら、実際には同時に二次的サイトへのレプリケーションも行っています。二次的サイトは、別のオンプレミス サイトであっても、マネージド サービスプロバイダであってもかまいません。もちろん、パブリック クラウドもOKです。いずれにせよ、それは企業のシステム環境にとって非常に重要な財産を保護することを意味します。
Zertoの機能性は以下のとおりです。
- フェイルオーバー、フェイルバック、ダウンタイムやデータ損失なしでサイト全体やアプリケーションを移行
- オートメーションとオーケストレーションによってサイトやアプリケーションのリカバリが数回のクリックで完了
- 隔離環境で他のサイトに一切影響を与えずに、いつでも必要なだけテスト可能
長期リテンション
バックアップ ソリューションのもう一つの重要な側面は長期リテンション(LTR)です。
多くの企業はアーカイブを必要とし、それが数年にわたる企業も少なくありません。本番環境データのコピーはすでにバックアップ技術によって取得できているので、企業はそのままバックアップ アプリケーションにバックアップを長期間保存して、コンプライアンスや規制要件を満たそうとしがちです。
それに対し、Zertoでは単純にデータを長期リテンション用リポジトリにコピーします。これはオンプレミスでもクラウド上でもかまいません。オンプレミスの専用バックアップ アプライアンス(PBBA)か、Microsoft AzureやAWS(AWS Glacier)などのパブリック クラウド内のストレージの特定の階層に、データを必要なだけ長期間保存し続けることができます。
また、長期リテンションから直接ファイルをリストアすることもできます。つまり、長期リテンションのデータにいつでもすぐにアクセスでき、コンプライアンスの遵守が徹底されます。
バックアップの不変性(Immutability)
データの長期保存(LTR)のための不変性(Immutability)設定を、Zertoのユーザーインターフェースで管理できるようになりました。Zertoユーザーは、ランサムウェアなどによる悪意のあるデータの削除や変更からクラウドへのバックアップを保護するために、バックアップを変更せずに保存できる期間を設定できます。Zerto 9はAmazon S3の不変性をサポートしています。
伝統的なバックアップとDRからの脱却
Zertoは、バックアップとDRソリューションを時代に置き去りにしたりはしません。結局いちばん重要なのは、いかに速くデータをリカバリでき、いかにデータ損失の可能性を極限まで減らすかです。不慮のサービス停止からランサムウェア被害まで、いかなる状況でもアプリケーションの可用性を保ちデータの損失を防ぎたければ、Zertoこそが、ずばり史上最強の助っ人です。
関連トピックス
- Zerto 各バージョン追加機能まとめ
- [Zerto]必要なWAN帯域幅要件を簡単推定、Zerto Analytics Resource Planner
- Zerto社 re:Invent 2021で「Zerto In-Cloud for AWS」を発表
- [Zerto]Azureスケールセットのネットワークやサブネット指定について
- Veeam B&R v12+Kasten K10 v6でインスタントリカバリ、K8sアプリケーションを数分で復旧
- Zerto Virtual Replication 互換性まとめ[VMware vSphere、vCloud Director、Microsoft Hyper-V、Microsoft Azure、Amazon Web Service]
- Zerto 10 for Azure での新機能について
- Zerto 6.0新機能:AWSからのフェイルバック機能が追加! クラウドDRがより柔軟に!
- Zerto 5.0 – Microsoft Azureへのレプリケーションに対応
- Zerto 9.7 Update 1 と2の新規追加機能 (2023-02-15)
Zerto9のプレスリリース:https://www.climb.co.jp/press/2021/0803.html