Veeam ON 2022 セッション情報速報③


毎年恒例で開催されているVeeamON、今年はラスベガスとバーチャルでの開催となり、日本時間だと5月17~19日に実施されています。ここではいち早くセッションの情報を展開していきます。

v12:Tape enhancements
・Veeam ONE v12 Preview

V12: Tape enhancements


Veeam v12におけるテープバックアップの強化について紹介していました。

まず、これまでのVeeamにおけるテープサポートでは、環境内のいずれかのWindowsマシンがテープサーバとして動作し、テープデバイスと接続する必要がありましたが、v12からはLinuxマシンもテープサーバとして利用できるようになりました。
これにより、Windows OSのライセンス数を減らし、Linuxリポジトリからテープへのアーカイブ時にWindowsマシンが中継処理することなくLinuxリポジトリから直接テープへアーカイブが可能となります。

そして、File to Tape機能が大幅強化されました。

大量ファイルのアーカイブパフォーマンスを向上させるために、複数テープドライブでの書き込みや、構成情報管理操作の最適化を実施しました。

この結果、大量のファイルのバックアップパフォーマンスが大幅に向上し、これまでバックアップウィンドウが原因で諦めていたテープへのアーカイブに対応できるようになります。2,500万のファイルをFile to Tapeでバックアップした結果ですが、v11とv12を比較すると大幅にパフォーマンスが向上していることがわかります。

そして、Veeam v10で追加されたNASバックアップ機能で取得されたバックアップファイルも、テープへのアーカイブ対象に含まれるようになります。

このほか、Amazon S3やAzure Blob Storageなどのオブジェクトストレージに保管されたデータを、テープへのアーカイブするジョブがサポートされるようになる予定です。
この時、テープへはオブジェクト単位でのアーカイブではなく、オブジェクトストレージに保存されたデータブロックを結合し、Veeamのバックアップファイル形式でテープへアーカイブされます。

Veeam ONE v12 Preview


Veeamでは、バックアップソフトだけでなくVeeam ONEと呼ばれる監視ソフトも提供しています。

Veeam ONE v12では、まずVeeam Backup & Replicationとの連携強化として、管理しているワークロードの内、どれだけの対象がImmutableなバックアップとなっているのか確認できるようになります。
ランサムウェアの被害が年々増加している中、せっかくImmutableなリポジトリを構成していても、正しくそこへバックアップできていなければ意味がありません。
このレポートを使用して、Immutableな状態となっていないバックアップを見つけ出し、早急に設定変更しておくことが必要です。

また、詳細画面では、現在のリストアポイントの内、どれだけのリストアポイントがImmutableとなっているのか、Immutableリストアポイントの期間を確認することも可能です。

次に、OracleやSAP HANAなど、エンタープライズ向けのデータベースに搭載されているデータ保護機能(RMANやBackint)と連携するプラグインについて、Veeam ONE上でバックアップ状況を確認、監視できるようになります。
Data Protectionタブより、Databasesを選択することで、これらのプラグインによるバックアップ状況をVeeam ONEから確認、レポート可能です。

この他、スケールアウトリポジトリ機能などを利用したオブジェクトストレージへのアーカイブ操作、パブリッククラウドリソースの監視対象追加(RDSやEFSなど)、Veeam Backup for Microsoft 365の監視対象追加など、Veeam ONE v12では多くのサポート追加が予定されています。

また、Veeamで実行されているバックアップやバックアップコピー、レプリケーションなどのタスクがいつ開始されて、何時に終了したのか、どれだけジョブが並列で処理が実行されていたかについて、Protection Calendarから一目で確認できるようになる予定です。
実行結果から並列具合を確認し、並列タスクを増やすのか減らすのかの検討材料として利用することや、タスクが割り当てられていない時間を見つけて別のジョブをスケジュールするなど、これまで目で見て確認していた並列具合やタスク未割り当て状況を、簡単に確認できます。

カレンダーを週次、日時など切り替えや、ジョブ名での絞り込みなど、使い勝手が非常に良いことがわかります。

各ジョブは、クリックすることで実行結果を確認でき、エラー状況の確認もこの画面から可能です。

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