Veeam Backup & ReplicationにはVeeam Backup Enterprise ManagerというWebUIがあり、ここで以下のような機能を提供しています。また、ローカライズも提供されており、Veeamで唯一日本語にて利用できるUIとなっています。
● 複数バックアップサーバの管理(ライセンス統合)
● Web UIからの各種リストア
● パスワード復旧
● セルフサービス機能
V12でのEnterprise Managerのアップデートは、そこまで大きなものではございません。ただ、より便利に、よりセキュアに利用できるようにする以下のような、新機能、改善が含まれています。
- 証明書ベースの認証
- 管理対応の追加
- CDP for VMware Cloud Director
- Catalyst Copyジョブ
- Quick backup
- リストア
- インスタントリカバリ
- 別の場所へのリストア
- PostgreSQLデータベースリストア
- VM テンプレートの復元
- Exchange アイテムレベルのリストアの改善
- 検索結果の並べ替え
特に要望が多かったものが、インスタントリカバリと別の場所へのリストアです。
インスタントリカバリ
V11までEnterprise Managerでは、VM単位でのリストアをする際には、データ転送を伴うVM全体のリストアのみを提供していました。ただ、これではサイズが大きいVMをリストアする際には時間がかかってしまいます。
V12ではVeeamの強みであるインスタントリカバリがEnterprise Managerでも実施できるようになります。VMware vSphere、VMware Cloud Director、Microsoft Hyper-V VM、ファイル共有のバックアップやストレージスナップショットから直接、インスタントリカバリを実行できます。
また、Migrate to Production操作でリカバリを確定するオプションも利用できます。
※Enterprise Managerにてエージェントベースのバックアップからは、インスタントリカバリは実行できません。引き続き、Veeam Backup & ReplicationのGUIから実行する必要があります。
※vSphereセルフサービスバックアップポータルではインスタントリカバリは実施できません。
別の場所へのリストア
Enterprise Managerは仮想環境やバックアップインフラストラクチャに詳しくないユーザの利用も想定し、できるだけシンプルにといった観点で、v11まではオリジナルへのリストアのみを提供していました。
ただ、別のホストやストレージといった、別の場所へのリストア要望も多く、V12で、別のホスト、ストレージへのVMフルリストアを実行できる「新しい場所、または異なる設定での復元」オプションが追加されました。
また、V12でEnterprise Managerに追加されたインスタントリカバリでも別の場所にリストアできます。
Veeam Backup & Replication GUIと同様にその他の関連する設定も全て指定できます。
また、インスタントリカバリでも同様に、別の場所にリストアできます。
その他の新機能、改善について
その他の新機能等は下記で紹介しています。
Veeamに関してご質問等ある場合は、クライムまでお問い合わせください。
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