Veeam ver.10での機能追加


この記事ではver.10で追加されたVeeam機能について紹介しております。Veeamの基本機能等については、こちらをご参照ください。

NASバックアップ

・一貫性のある高速増分バックアップ

巡回冗長検査(CRC)値で比較を行うことで、変更されたファイルを正確に素早く検出、大量のファイルを持つファイルサーバでも高速な増分バックアップを実現します。

一貫性のある高速増分バックアップ

静止処理対応

  • SMB v3の場合
    ・VSSスナップショット
    ・File Proxy:Windows 2012 R2以上
  • その他
    ・ストレージスナップショット
     ※スクリプト等で手動連携必須
静止処理対応

データベース不要で安価に保存、スケールアウトリポジトリでメタデータ冗長性も

大量のファイルの世代を含むバックアップを行う場合、インデックス等を保持するためにデータベースが必要になる場合があります。ただ、この場合、バックアップ要件が高くなり、高価になりがちです。Veeamではこれを避けるため、ファイル自体を保存するのではなく、どこにどのファイルのデータが保存されているのかを記録したメタデータと実際のデータを保存するデータBLOBに分けてバックアップを格納します。また、保存先をスケールアウトリポジトリとした場合、もっとも重要なメタデータは2つコピーを保持するように冗長構成が可能です。

データベース不要で安価に保存、スケールアウトリポジトリでメタデータ冗長性も

・世代管理、アーカイブ、速度コントロール

NASバックアップではスケールアウトリポジトリを用いなくともオブジェクトストレージをアーカイブ先に別途指定可能です。例えば、オンプレのストレージ上には3か月分のファイルバージョンを保持し、クラウドでは3年間分のファイルバージョンを保持するといった構成も簡単に行えます。
また、ソースとなるNASにかかる負荷をコントールすることも可能であり、影響は少ないが低速で、読み取り負荷は大きくなるが高速にといった調整も可能です。

世代管理、アーカイブ、速度コントロール

オブジェクトストレージへのアーカイブ改善

・イミュータブル(不変)オブジェクト

Amazon S3や対応しているS3互換ストレージ(Wasabiなど)では、一度保存されたファイルの変更や削除を一定期間実施できないようにするイミュータブル機能をサポートしています。この機能はランサムウェア対策などでは必須ともいえる機能であり、Veeamはこれと連携し、アーカイブされたオブジェクトを指定した期間、不変なものとして保存できます。

イミュータブル(不変)オブジェクト

・スケールアウトリポジトリの即時コピーオプション

スケールアウトリポジトリでキャパシティ層を指定した場合、v9.5まではMoveオプションで非アクティブな現在使われていないバックアップチェーンのみをアーカイブすることができました。オンプレストレージ上における容量を確保するという面ではこのMoveオプションでも十分でしたが、3-2-1ルールに基づいてオフサイトへの保存としてキャパシティ層を利用したい場合には不十分でした。v10では新しく作成されたリストアポイントを即座にアーカイブするCopyオプションが追加されより便利に、柔軟にご利用いただけます。

スケールアウトリポジトリの即時コピーオプション

インスタントVMリカバリ機能強化

・エンジン2.0とマルチVMインスタントリカバリ

インスタントVMリカバリ用のエンジンが大幅に改修され2.0となりました。大きな変更点としてはRAMキャッシュの実装です。これにより、バックアップから直接VMを起動するという仕様上の保存先ストレージへの依存を減らし、数倍高速に起動できるようになりました。またこれに伴い、保存先ストレージのI/Oパフォーマンスの観点から1台ずつに制限されていたインスタントVMリカバリでも、複数のVMをまとめて起動することが可能になりました。

エンジン2.0とマルチVMインスタントリカバリ

・なんでもVMwareへインスタントVMリカバリ

9.5まではVMware仮想マシンのバックアップのみをVMware環境にインスタントVMリカバリできましたが、v10からはVeeamが作成したマシンのバックアップであれば基本的にVMwareの仮想マシンとしてインスタントVMリカバリが可能です。

  • * Hyper-V VM
  • * Nutanix VM
  • * Windows
  • * Linux
  • * Amazon EC2

参考:

・個別ディスクのインスタントリストア

9.5までは仮想マシン単位でしか、インスタントVMリカバリは実施できませんでしたが、v10ではバックアップ内に含まれる特定の仮想ディスクを指定したマシンにインスタントリストアでマウントし利用できます。これにより、バックアップに含まれる本番VMの仮想ディスクを検証用VMにマウントしてテストするなど利用用途が広がります。

個別ディスクのインスタントリストア

Veeamデータ統合API

仮想マシンのバックアップから、それに含まれているディスクをiSCSIで公開可能なAPIが追加されました。これにより、Veeam以外のサードパーティー製品がVeeamのバックアップからデータを抽出し、データのマイニングや分類、セキュリティ分析、eDiscovery、データフォレンジックなどで利用できます。

Veeamデータ統合API

Linux対応の拡大

・高度なXFS統合

XFSの持つFast Clone機能と連携し、バックアップファイルの合成処理を最大20倍高速化し、バックアップウィンドウの短縮、保存先ストレージの負荷、容量の削減できます。

高度なXFS統合

・NFSバックアップリポジトリ

v10ではCIFS(SMB)リポジトリと同様にNFSをバックアップ保存先として利用できます。これにより、多くの場合、NFSプロトコルを介して容量を利用可能なハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)との統合も容易になります。また、NFSリポジトリの場合にはLinuxマシンをゲートウェイサーバとしても使用可能です。

NFSバックアップリポジトリ

・Linuxバックアッププロキシ

VMware環境のVirtual Appliance(HotAdd)モードで動作するバックアッププロキシとして、Linuxマシンをサポートしました。仮想アプライアンスとして事前用意されたものではなく、任意のLinuxディストリビューションを利用いただけますので、セキュリティチームや管理者により許可された安全で集中管理可能なマシンでコンプライアンスを達成可能です。

Linuxバックアッププロキシ

対応ディストリビューションについてはこちらをご参照ください。

・ネットワークレスなゲスト処理

LinuxゲストOSに対するバックアップ時のpre-freezeとpost-thawスクリプトの配置やゲストファイルシステムインデックス作成、OracleのREDOアーカイブログバックアップやオリジナルへのファイルレベルリストアなど従来はネットワークアクセスが必須となっていた処理が、v10ではVIX API(VMware vSphere guest interaction API)によりESXiホストを介して実施可能になりました。これにより隔離環境に配置されたLinuxゲストOSもネットワークアクセスなしでシームレスに保護可能です。

ネットワークレスなゲスト処理

・Linux互換性の拡大

キーボードインタラクティブ認証タイプを使用するように設定されたSSHサーバーでLinuxマシンにシームレスに接続します。 これは、バックアップインフラストラクチャサーバーの登録、エージェントベースのバックアップ、イメージレベルのバックアップ用のアプリケーション対応処理、ファイルレベルのリカバリなど、すべてのVeeam機能でサポートされます。

ver.10新機能紹介動画

その他バージョンでの機能追加については、こちらをご参照ください。

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