Veeam Backup & Replication(※以下Veeam B&R)のレプリケーション機能のオプション「Low connection bandwidth(enable replica seeding)」について紹介します。
※Veeam Version 5では「Initial Replication」機能とよばれていました。
Initial Replication機能の紹介【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
※この機能のメリット
初回のフルレプリケーションはデータの転送量が多いです。この機能を使用することで初回のレプリケーションはvSphere間のネットワークを使用せず、2回目以降の差分のレプリケーションのみvSphere間のネットワークを使用します。
■処理の流れ
例)東京にVeeamインストールサーバー、ESXi(A)、大阪にESXi(B)が存在する場合
手順1)
東京のESXi(A)上の仮想マシンのバックアップを取得します。
手順2)
バックアップ時に作成したデータを大阪に移動します。
※バックアップ時には指定したフォルダ内にフォルダ(Backup Job名)を作成してその中にバックアップデータを作成します。そのフォルダごと大阪に移動します。
手順3)
大阪の環境(Winodws系OS、Linux系OS、共有ディスク)に東京のVeeamインストールサーバーからリポジトリ(バックアップデータ格納先)サーバーを構築してバックアップデータを格納します。
手順4)
ESXi(B)に対してReplication Jobを作成します。作成時にオプション「Low Connection bandwidth(enable replica seeding)」を有効にします。
手順5)
Job作成時の「seeding」画面で手順1でバックアップしたデータを格納しているリポジトリ(バックアップデータ格納先)サーバーを選択します。
上記設定でJobを実行することで初回の同期(フルレプリケーション)では東京、大阪間のネットワークを使用しません。まず大阪のバックアップデータでレプリカVMを作成、その後Veeam B&Rが変更部分のデータを反映します。
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「Initial seeding」 または 「Replica seeding」と呼ぶことがあります。