目次
1 + 1 = 3を可能にするCisco + Veeamの相乗効果
はじめに
ビジネスにおいて必要とされるITの効率性やインフラストラクチャの機動性は、今日、これまでにない高いレベルが求められています。旧来のシステムでは、もはやユーザーの期待やビジネスの需要に応えることはできません。そこで、Veeam® Availability Solutionsによる、Cisco HyperFlexハイパーコンバージドシステムとの統合が、その優れた特性によりITインフラに変革をもたらし、このような課題の克服を可能にします。導入が容易なデータ保護機能、管理の単純化、ビジネスのニーズ変動にすばやく対応する拡張性を備え、ITインフラがVeeamとCisco HyperFlexの連携によって生まれ変わります。
ハイパーコンバージドシステムの力を最大に
VeeamはCisco HyperFlex(HX)を補完し、仮想環境におけるデータの可用性と保護、そして災害復旧(DR)への万全の体制を築きます。同時に、HyperFlexは、クラスタ内でのデータミラーリングによってクラスタの可用性を高め、ハードウェアの不具合を自己治癒させる積極的なエラー対策を実現します。
Cisco HyperFlexは、コンピュータ、ストレージ、そしてネットワーキングと仮想化を、単純化された使いやすいシステムに集約し、今までとは段違いの高速化でITの効率性を高めます。さらに、統合されたネットワーク構成、機能性に優れたデータ最適化と一貫した管理機能で、幅広いワークロードやユースケースに対するハイパーコンバージドシステムの潜在能力を最大限に引き出します。
また、VeeamはHyperFlex独自のスナップショットを用いて、仮想マシン(VM)の効率的なバックアップとレプリケーションを可能にするので、リカバリ時間目標(RTO)とリカバリポイント目標(RPO)が劇的に短縮され、すべてのアプリケーションとデータに対して15分を下回るRPTO™(リカバリポイント/時間目標)が実現されます。
VeeamによるHyperFlexクラスタ間のレプリケーションは、ローカルか分散環境かを問わず、サイト単位のDR(災害復旧)を可能にします。さらに、より頻度の高い日常的問題からは、VM単位、あるいはアイテム単位での即時バックアップとリカバリも可能です。このようなVeeamに個別管理されるバックアップは、二次的ストレージやクラウド、あるいはテープに保存され、社内外のデータ保護要件やリカバリ要件を的確に満たしてくれます。
Veeam Backup & Replicationの働き
Veeam Backup & Replication™は、Cisco HyperFlex(HX)環境において、バックアップサーバーとプロキシ、およびリポジトリに配備され、コンフィギュレーションされます。それにより、Veeamがバックアップやレプリカの作成ジョブを統括し、同環境におけるデータの保護が必要なときに直ちに行われるよう周到に準備されます。
このVeeamバックアップインフラにおいては、バックアッププロキシがVMデータの取得と転送をつかさどる「data mover」の役割を担います。バックアップ処理時に、バックアッププロキシが対象となるHXデータストアからVMデータを取得し、処理を行い、バックアップ先のリポジトリに送ります。バックアップリポジトリはバックアップファイルの保管場所であり、HyperFlex内はもちろん、Veeam用のCisco USCサーバーストレージなど、他のストレージに置くことも可能です。そして、VMの完全リストアやVMディスクリストアの際に、元のHXデータストアにデータを書き戻すのもバックアッププロキシの役割です。
Veeam Backup & ReplicationはVMデータをブロック単位でコピーします。バックアップ対象のストレージからVMデータが取得され、データの圧縮と重複データ排除が行われた後、バックアップリポジトリに書き込まれます。その後、実行されるジョブにはVMware Change Block Tracking(CBT)が活用され、変更されたブロックのみが処理されます。そのようにして、バックアップの全体的なプロセスが、HyperFlex独自のスナップショットを用いた上で、 Veeamにより統括されます。継続的かつ自動的なデータ保護が完備されることにより、HyperFlexがありとあらゆる状況で高速リカバリが可能な、効率性の優れた環境に生まれ変わります。VM単位の完全リカバリやファイル単位、アイテム単位リカバリなど、Veeamが実現するリストアのオプションは50を超え、ビジネスの停滞を防ぎ、生産性の維持に確実に貢献します。
レプリケーションのしくみ
Cisco HyperFlexクラスタにおける実用環境のVMをレプリケーションする場合、その完全コピーがレプリケーション先のHyperFlexシステムに、VMware独自のフォーマットで作成されます。そして、そのコピーが元の実用環境VMと常に同期化され続けます。実用環境のVMがダウンした場合、管理者は二次的HyperFlexクラスタのVMレプリカにすぐにフェイルオーバーすることができます。VeeamはVMwareのCBT(Change Block Tracking)方式を採用しているので、レプリケーションの高速化が進み、レプリケーションジョブをより高い頻度でスケジュールすることができます。つまり、高頻度のNear-CDP(Continuous Data Protection:継続的データ保護を既定の周期で達成)をサポートしています。VeeamとCisco HyperFlexの組み合わせのさらなる特長としては、高い可用性を実現するオンサイトのレプリケーションと、災害復旧(DR)の各種シナリオに対応するオフサイトのレプリケーションの両方を実行できる点も見逃せません。
Veeam Backup & ReplicationはWANや遅い接続を通しても、インライン重複排除、データ圧縮、任意のWAN加速などにより、データ転送を最適化します。また、任意でレプリカトラフィックを暗号化したり、スロットリングルールによって、帯域幅の消費を制御したり、レプリカシーディングでネットワークへの負荷を調節することも可能です。Veeam Cloud Connectによる、HyperFlexからの高速かつ確実なバックアップとレプリケーション、さらにクラウドプロバイダやプライベートクラウドのインフラからのリストアなども可能で、クラウドサポートも充実しています。
CiscoとVeeamの最強タッグ
CiscoとVeeamの組み合わせは、効率的なデータ保護、柔軟かつ高速のリカバリとレプリケーションを次世代ハイパーコンバージドインフラにもたらし、365日24時間の可用性を実現します。ビジネスの停滞を防ぎ、ユーザーの生産性を維持する究極の組み合わせと言っても過言ではありません。
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