Veeam最新情報!Veeam Vanguard Summit 2018レポート③:Veeam ONE新機能


10月16、17、18日にVeeamのR&D部隊のいるチェコ、プラハにてVeeam Vanguard(開発元が認定する外部技術員)向けの情報展開があり、クライムも参加してきました。ここで展開される情報には、開発元の発信待ちのマル秘情報もあるため、現在全てを本ブログでレポートさせていただくことはできませんが、可能なかぎり展開させていただきます。

量があるため、複数回に分けてお届けいたします。今回はVeeam ONE 9.5 u4で実装予定の新機能に関してです。Veeam Backup & Replication 9.5 u4の新機能に関して紹介している
前々回①はこちら
、前回②はこちら

Veeam ONE 9.5 u4 実装予定の新機能

Veeam ONEはVeeam Backup & Replicationの姉妹製品として元々、仮想環境に特化した監視、レポーティング機能を提供しています。現在はVeeam Backup & Replicationと合わせて利用することでバックアップやレプリケーションといったデータ保護の構成をより最適化することに重点を置いており、新機能に関してもこのような機能が多く実装される予定です。

Business View機能の改善

現在、Veeam ONEはMonitor, Reporter, Business Viewの3つのコンポーネントに分かれており、共有のデータを使用していますが、それぞれに対するオペレーションは専用のGUIを使用する必要があります。監視、アラート機能を提供するMonitorはWindowsのGUI、ダッシュボード、レポートを提供するReporterはWeb GUI、カテゴライズ(分類)機能を提供するBusiness ViewもWeb GUIです。

このうちBusiness View機能に関しては便利な機能ではあるものの、あくまで使いやすくする、見やすくすることを目的として分類という必須ではない機能であり、設定に関しても関数を記述する必要があるため、手間がかかり利用率が低くなっていました。これを改善するため、もっとも利用機会の多いMonitorのGUIにBusiness View機能は統合されます。

この統合に加えて、今までの関数での分類を使用しなくとも、もっと簡単に分類を行えるように、シンプルなパラメータをウィザードで設定するだけで同様の設定が行えるようになる予定です。

Veeam Intelligence Diagnostic機能

この機能は、Nany機能といった名前でVeeam ONなどでは紹介されていた機能であり、Veeam Backup & Replication環境の問題を自動検出し、解決するための機能です。この機能を使用する際には、ONEのエージェントクライアントを各Veeam Backupサーバに配置し、このエージェントがVeeam Backupサーバ上のログを検索します。

そして、この検索したログ上にある問題をVeeamのナレッジベースが提供するシグネチャと比較し、解決策を提示します。この時、シグネチャの自動更新を行わず、手動で実施することも可能です。

修復アクション

この機能はアラートのステータスに対して自動で実施するアクションを指定できる機能です。自動とは言ってもステータスの状態で完全に自動実行する方式と一旦、手動での承認を必要とする2種類の方式から選択できます。

一般的なアラートに関しては、実施するアクションが組み込みで用意される予定です。

  • 最新のスナップショット保持時間:警告 – アクションなし、エラー – スナップショットの削除、改善されない場合 – 全てのスナップショットの削除
  • 最新のスナップショットサイズ:警告 – アクションなし、エラー – スナップショットの削除、改善されない場合 – 全てのスナップショットの削除
  • VMの保持するスナップショット数(vSphereのみ):警告 – アクションなし、エラー – スナップショットの削除、改善されない場合 – 全てのスナップショットの削除
  • VMのバックアップ時に孤立したスナップショット(vSphereのみ):警告 – スナップショットの削除、エラー – スナップショットの削除
  • バックアップされていないVM:警告 – 指定したジョブにVMを追加、エラー – 指定した場所にVeeam ZIP、改善されない場合:VMを含むバックアップジョブを実行、それでも改善されない場合:Quick Backupを実施
  • レプリケーションされていないVM:警告 – 指定したジョブにVMを追加、エラー – VMを含むレプリケーションジョブを実行
  • 無効化バックアップジョブ:警告– アクションなし、エラー – ジョブを有効化

アプリケーションレベルの監視

Veeam ONEはもともと仮想環境の監視、管理ツールとして開発されたものであるため、ゲストOS内のアプリケーション監視には対応していませんでした。しかし、これにupdate4で対応予定です。これにより、サービス/プロセスの監視、管理(サービスの開始/停止、プロセスのKill)が可能になります。また、Windows VMのみですが、サービスやプロセスの状態、プロセスのリソース使用率、プロセス/サービスの実行数でアラートの作成も可能になります(エージェント配置)。

その他

このほかにも、GDPR向けに、位置情報を基にした分類機能や、SureBacup、Restoreレポートの改善といった機能やVeeam Agentのバックアップ監視、レポート、リポジトリ容量のヒートマップダッシュボードの追加など、便利な機能が追加される予定です。

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