Veeam ONEにはVeeam Backup & Replicationの使用状況や問題を監視するための、アラームやレポートが多数用意されています。
これから何回かに分けて、いくつかのレポートを紹介していきます。
今回ご紹介するのは、Veeam Backup Assessmentレポートパックです。このレポートパックでは、バックアップを正常に取得するための推奨要件を満たしているか、不必要なバックアップでリソースを無駄遣いしていないか、必要なバックアップが取れているかなど、バックアップ環境の構成に問題がないかを評価します。
- Backup Infrastructure Assessment
バックアップインフラストラクチャがどの程度最適に構成されているかを評価します。
- Data Sovereignty Overview
保護されているすべてのオブジェクト、バックアップ、およびレプリカが場所ごとにグループ化されて一覧表示されます。
- Data Sovereignty Violations
バックアップやレプリカがデータソースと異なる場所に保存されているかどうかを分析します。
- Job Configuration Change Tracking
指定した期間のバックアップジョブの設定変更を監視します。
- Orphaned VMs
バックアップファイルは存在するが、ジョブに含まれていないVMを検出します。
- Restore Operator Activity
実行されたリストア操作を監視します。
- Unmapped Datastore LUNs
既存のバックアッププロキシにマップされていない共有データストアに関する情報を提供します。ダイレクトSANアクセスモードを使用する場合は、データストアLUNをプロキシサーバーにマップする必要があります。
- VM Backup Compliance Overview
3-2-1ルールに応じたバックアップコピーの要件を満たしているかを確認します。
- VMs Backed Up by Multiple Jobs
複数のジョブで同時にバックアップされているVMを検出します。
- VMs with no Archive Copy
セカンダリバックアップリポジトリやテープにアーカイブされていないVMを検出します。
この中のいくつかのレポートについてもう少し詳細に説明します。
Backup Infrastructure Assessment
このレポートは、Veeamが推奨する設定に対して実際の仮想環境の構成を分析し、適切にバックアップできていないVMを特定します。バックアップインフラストラクチャがどの程度最適に構成されているかを評価し、その効率を高めることを目的としたアクションを提案します。
※このレポートはVMware vSphere環境でのみ使用できます。
インフラストラクチャ構成を分析するために、例えば次の項目をチェックします。
- Application-aware image processing for Windows Servers
Windowsマシン上で静止点を取得するためにVSS連携を行うオプションが有効になっているか。
- Parallel virtual disk processing
複数の仮想ディスクを並列処理するオプションが有効になっているか。
- Meeting Backup Window
定義したバックアップウィンドウを超えてしまうジョブがないか。
- Backup job processing mode optimizations
データフローのボトルネックを見つけます。
- Backup server protection
バックアップサーバーの構成バックアップが取得されているか。
- Repository free space
リポジトリの空き容量を確認します。
バックアップ環境が大きくなればなるほど、それらの管理と最適化が困難になってきます。レポートの推奨事項に従って、バックアップ管理者はジョブ構成を改善し、必要なハードウェアとソフトウェアの最適化を実装できます。これにより、効率が向上し、リソース消費量が削減され、バックアップ時間が短縮されます。
Orphaned VMs
このレポートは、既存のバックアップファイルには存在するが、バックアップ、レプリケーション、またはテープへのバックアップジョブには存在しないVMを検出します。
レポートは、ディスクとテープのバックアップの内容を調べ、このデータをスケジュールされたジョブの構成プロパティと比較して、ジョブに含まれていないVMを一覧表示します。検出されたすべてのVMを列挙し、VM保護のタイプ、VMの復元ポイントの数、バックアップの場所、および最新のバックアップセッションの日付に関する詳細を提供します。さらに、現在のファイル保持ポリシーに従ってバックアップがいつ削除されるかを示します。
エラーや見落とし、ジョブの設定ミス、または複数のバックアップ管理者間の調整不足が原因でVMが孤立する場合があります。例えば、誰かがジョブの設定を変更し、誤ってVMをそのジョブに含めるのを忘れた場合などです。また、VMがvMotionを介して保護されていないホストに移行された場合や、DRSがアクティブ化された結果など、一部の自動操作が原因でVMが孤立する場合もあります。このレポートは、VMのバックアップジョブ設定がミッションクリティカルなものである場合は変更するか、VMが不要になった場合はバックアップから削除するかを決定するのに役立ちます。
Veeam ONEはVeeam Backup & Replicationを補完するものであり、Veeam Availability Suiteを購入することで、一緒に使用することができます。
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