Veeam Backup & Replication Ver6よりレプリカVMを使用した復旧方法が変更になっています。Ver5ではレプリケーションにより作成されたレプリカVMはレプリケーション元のVM(オリジナルVM)に障害発生した際にFailover to replicaを行い、起動し代理で運用します。しかし、オリジナルVMが復旧してもレプリカVMの内容をFailbackさせることはできませんでしたが、Ver6ではFailover to replica、Permanent Failover、Undo Failover、Failback、Commit Failback、Undo Failbackという機能があり、レプリカVMの内容をオリジナルVMへ反映したり、別のVMとして作成したりすることができるようになっています。
Failover to replica –
オリジナルVMに障害が発生した場合にFailover to replicaにより、レプリカVMに処理を引き継ぎます。レプリカ状態はノーマルからFailoverに変更され、最新の状態またはリストアポイントのいずれかにFailoverすることができます。そのレプリカ状態がノーマルに戻されるまで、レプリケーションジョブは継続動作できなくなり、オリジナルVMが復旧した際にはレプリカVMの内容を反映させるためFailoverを完了するために別の手順を取る必要があります。
Permanent Failover –
Failover機能により運用していたレプリカVMを恒久的に使用する場合Permanent Failoverを使用します。Failover状態で変更した内容はコミットされ、リストアポイント、関連ファイルは削除されます。使用していたレプリケーションジョブから対象のVMは削除されます。
Undo Failover –
Undo Failoverにより、レプリカVMの変更分を破棄しレプリカの状態はノーマルに変更されます。Failoverが取り消されると、レプリケーションジョブを継続動作させることができます。
Failback –
オリジナルVMが障害の間レプリカVMにより処理を引き継いでいた内容をFailbackにより、レプリカVMの恒久対応を行います。
Failbackには3つのオプションがあります。
1.レプリカVMの内容をオリジナルVMへ反映
2.同じ構成のVMにレプリカVMの内容を反映
3.別の場所にレプリカVMの内容を反映
Commit Failback –
オリジナルVMにFailback機能により反映した内容を恒久的に使用する場合Commit Failbackを使用します。
Failback状態で変更した内容はコミットされ、スナップショットファイルとレプリカのディスクファイルのロック状態を解除し、再びレプリケーションジョブを使用できる状態に変更します。
Undo Failback –
Undo Failbackにより、レプリカ状態は、FailbackからFailoverに戻ります。
レプリカVMからFailbackする際、作動不能または破損している場合は、Failbackを元に戻すとFailoverの状態に戻し、レプリカVMを切り替えることができます。
Failbackが取り消されると、レプリカVMは、保護されているFailoverのスナップショットに戻ります。
レプリカVMがFailbackの状態にある間に行った変更は、レプリカのディスクファイルにコミットされません。
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