Veeam Backup for Microsoft 365 v6では新たにバックアップコピー機能が追加され、Azure Archive、Amazon S3 Glacier、Amazon Glacier Deep Archiveを2次バックアップ先のオブジェクトストレージとしてサポートしました。
これにより、Azure Blobに保管していたAmazon S3 Glacierへさらに2次バックアップするといった構成が可能になりました。
バックアップコピー先となる、Azure Archive、Amazon S3 Glacier、Amazon Glacier Deep Archiveは、通常のオブジェクトストレージのリポジトリと同様に追加いただけます。また、下記のよにクラウドのインスタンス(Amazon EC2やAzure仮想マシン)をアーカイブの補助用アプライアンスとして自動構成するように追加設定が可能です。
これより、バックアップコピープロセスを高速化し、コストかかる操作を削減可能です。バックアップコピージョブが実行されると自動構成され、下記のようにデータ転送処理で使用されます。
※構成しなくともバックアップコピー自体は可能です。
バックアップコピージョブ構成もとても簡単であり、バックアップジョブを右クリックし、Add to backup copy jobでバックアップコピージョブの作成ウィザードを起動、
ウィザードのしたがって、2次バックアップ先のリポジトリを選択、
コピーのスケジュールを指定
- Immediate:新しいバックアップのリストアポイントが作成されると即座にコピー
- Daily at this time:実行する時間と、毎日または曜日を指定し、日次または週次の間隔でバックアップコピーを実施
- Periodically ever:5、10、15、30分または1、2、4、8時間の間隔でバックアップコピーを実施
また、Teminate the job if it exceeds allowed backup windowを有効すると、その時間を超えてジョブが実行されていた場合に強制停止を行うようにも構成可能です。
このように簡単に構成し利用可能なバックアップコピー機能ですが、いくつかの注意点があります。
まず、オブジェクトストレージリポジトリ間でのコピー機能であるため、ディスクのリポジトリを保存先としている場合には、バックアップコピー機能は利用できません。オブジェクトストレージへデータをオフロードするように構成したリポジトリにバックアップを保存する必要があります。
次に、あくまでも、Azure Archive、Amazon S3 Glacier、Amazon Glacier Deep Archiveのみをバックアップコピー先として構成できます。このため、以下のような異なるクラウド間でも構成は可能ですが、
〇S3互換ストレージ>Amazon S3 Glacier
〇Azure Blob>Amazon S3 Glacier
〇Amazon S3>Azure Archive
〇IBM Cloud>Azure Archive
以下のようにそれ以外のオブジェクトストレージをバックアップコピー先としては構成できませんのでご注意ください。
×Azure Blob>S3互換
×Azure Blob > Amazon S3
×Amazon S3>Azure Blob
×Amazon S3>IBM Cloud
最後に、リポジトリの保持ポリシーは同一である必要があります。
Veeam Backup for Microsoft 365ではバックアップ時点の状態を保持するスナップショットベースでの保持と各アイテムの変更日時を基準としたアイテムレベルでの保持を提供しており、これはリポジトリに対して設定するものとなっております。
バックアップ先のリポジトリとバックアップコピー先のリポジトリの保持ポリシーを同一で構成する必要があり、バックアップ先としてスナップショットベースのリポジトリを、バックアップコピー先としてアイテムレベルのリポジトリを設定するといった構成は行えません。
このように注意点はありますが、安価なオブジェクトストレージを利用し、2次バックアップを簡単に構成できる機能となっておりますので、ぜひご活用ください。
より詳細な情報や動作に関するご質問などございましたら弊社までお問い合わせください。
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