■2015/06/08記事改訂
仮想環境の監視ソフトウェア Veeam ONE では、仮想環境で発生した問題事象や、リアルタイムでのリソース使用状況の監視が可能です。
それだけではなく、蓄積されたデータから仮想環境のムダを検知しそれをレポート形式でわかりやすく指し示すこともできます。
仮想環境では、仮想マシンの作成・クローンや、テンプレートの作成、さらに仮想化特有の機能である任意の量のリソース割り当てやスナップショットの作成が自由にできます。
反面、テスト用に展開した仮想マシンが放置されていたり、一時的に作成したはずのスナップショットがそのままになっていたり、使われなくなったテンプレートの存在が忘れ去られているなど、知らず知らずのうちに仮想環境のリソースが圧迫されていることがあります。
ムダがあることに気がつかず、リソース拡充のために新たなハードウェア・ソフトウェアを導入する、といった展開は避けたいものです。
Veeam ONE の Reporter機能ではリソースの浪費を検知できるレポートを標準で取り揃えています。
これは、Webブラウザからアクセスして使用する機能となります。
http://(IPアドレスorマシン名):1239/とタイプすれば社内LANのどのPCからも使用可能です。
本記事ではレポートを使った、ムダを検知する3つの手法を紹介します。
目次
1.無駄な仮想マシン・テンプレート・ファイルの洗い出し
起動したまま、ほとんど仕事をしていない仮想マシンはありませんか?
使われなくなったテンプレートファイルはありませんか?
そういった低いアクティビティの仮想マシン・テンプレートを
検知し、削除・統合のお手伝いができるレポートが用意されています。
Idle VMs レポートでは、指定した期間内で起動している仮想マシンのうち、
CPUやメモリ、ネットワークといったリソースをほとんど利用していない
アイドリング状態の仮想マシンを探し出し、
リソースの割り当て直しや、仮想マシンの統合または停止を促します。
Idle Templates レポート では、ストレージの片隅に
置かれたまま一定期間使われていないテンプレートを一覧にして表示します。
最終アクセス時刻と配置されているフォルダなども合わせて表示しますので、
場所がわからない、といったこともありません。
Inefficient Datastore Usage レポートでは、長らく起動していない仮想マシンを
一覧にして表示します。
何ヶ月以上稼動していないかもはっきり表示されます。
これにより、テスト用に展開・使用された後放置されている仮想マシンを
探し当てることが可能となり、データストアの浪費を防止できます。
仮想マシンから切り離され、使われなくなった仮想ディスクや、
データストア上にアップロードしたISOファイルなど、
削除されずに残されているデータに関してはGarbage Files レポートを使用します。
2.Veeam Backup & Replicationで多重に保護された仮想マシンを探す
Veeam ONE の姉妹製品として、仮想マシン特化のバックアップ・レプリケーションソフト
Veeam Backup & Replication (以下 Veeam B & R)がございます。
Veeam ONE ではこの Veeam B & R との統合によりさらに強力な仮想環境の監視が可能となっております。
(小規模環境のお客様にはVeeam ONEとVeeam B & Rの2つが1つのパッケージとなったEssential Editionがございます。)
Veeam ONEのレポートではVeeam B & R において2つ以上のバックアップおよびレプリケーションジョブにて処理対象とされている仮想マシンがあるかを表示するVMs Backed Up by Multiple Jobs レポートがございます。
このレポートを使用すれば、過剰に処理されている仮想マシンに対する、バックアップファイル用・レプリカ仮想マシン用のストレージ領域のムダを効率的に減らすことができます。
また、転送されたデータ量の平均値が高い仮想マシンや累計での処理時間が長い仮想マシンの情報も記載されています。
3.忘れ去られたスナップショットを見つけ出す
仮想マシン上で、OSに不可逆的なダメージを与えかねないソフトウェアの設定変更に備えるために、スナップショットを取得することはどのお客様でも行われています。
こういったスナップショット、無事に作業が終了した後、放置されてしまっていませんでしょうか。
VMwareはスナップショットを長期にわたり、また複数持つことは推奨していません。
Active Snapshot レポート は現存するスナップショットを一覧で表示します。
また、スナップショットマネージャからスナップショットが削除できたと思っていても、実はファイル自体は残ってしまっていることがあります。
該当するVMware KB記事
Veeam ONE バージョン8からは、こういった隠れたスナップショットファイルを検知できる、Orphaned VM snapshotレポートが搭載されました。
孤立したスナップショットはバージョン7でも検知可能でしたが、これはお客様自身でレポートを作成する機能を使って設定を行うものでした。
⇒当該記事
この設定の手間を減らすため、バージョン8からデフォルトで同等のレポートが搭載されるようになりました。
任意の仮想ホストやデータストアを指定することにより、その中にある孤立したスナップショットをリストとして表示します。
これにより余計なスペースを消費している状態を一目瞭然にします。
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