弊社が取り扱う仮想環境のモニタリングツールVeeam ONEには収集した仮想環境の情報から分析を行い、これまでの仮想環境状態の推移や、これから発生が予期される仮想環境でのエラーについてのレポートを出力するReporter機能があります。
Reporter機能には多くの便利なレポートが標準で用意されていて、仮想環境上のムダを省いてストレージを節約するレポート(弊社ブログ記事)や、Veeam Backup & Replicationと連携して効率的な仮想マシンデータの保護が行えているかを確認するレポート(弊社ブログ記事)などがあります。
その中から、ユーザの仮想環境におけるキャパシティプランニングを助けるレポートを4回に分けて紹介します。
初回はクラスタ内のホストが非常停止した場合を想定できるHost Failure Modellingレポートです。
- ホスト停止をシミュレートして必要リソースを計算するHost Failure Modellingレポート
- データストアの容量増加を予測するOver-provisioned Datastoresレポート
- 追加できる仮想マシン数を予測するHow Many More VMs Can be Provisionedレポート
- リソース枯渇までの日数を予測するCapacity Planningレポート
Host Failure Modellingレポートでは、クラスタ構成内のホストが1台または複数台停止した状況をシミュレートし、その際のクラスタ内のCPUとメモリの使用率を予測します。
適切なリソース割り当ての推奨情報を供給することで、CPUおよびメモリリソースの不足を警告し、業務の維持のためのキャパシティ増強計画を助けます。
※vCenter構成やスタンドアローン構成ではなく、クラスタ構成のvSphere環境またはHyper-V環境が対象です。
レポートの対象範囲とする仮想環境、停止を想定するホストの台数を入力またはホストを指定し、残存ホストのCPUおよびメモリの許容可能な最大使用率を入力します。
レポートのSummary欄では、データストアや仮想マシンの台数、全体のリソース量といった現在の仮想環境における状況(■緑枠)と、停止を想定したホストの台数と残存するリソースの量、設定したしきい値を超過したリソースの量といったシミュレーション後の状況(■赤枠)を表示します。
Modelling Resultsでは
- マイグレーションが必要となる仮想マシンの台数
- どの程度CPU/メモリリソースが削られるか
が円グラフで表示されています。
Details欄では、より詳細な情報として、クラスタにおいて停止を想定したホストと、停止により影響をうける稼働中の仮想マシンの数、それらの仮想マシンをマイグレーションした場合のリソース使用率を表示します。
予測されたリソース使用率が、指定したしきい値を超えていると数字が赤くなります。
Recommendations欄では、具体的にホスト停止時に影響を最小限にする方法を記載しています。
リソースが十分にある場合は、「After 1 host(s) failure, you will be above the defined 80% threshold for Memory by 2.48 GB but still within the capacity of the hardware」(例)といった形で表示されます。
(参考訳:1つのホストが停止した後、80%のしきい値を2.48GB分超えてしまうが、ハードウェアのキャパシティ範囲内に収まっている。)
リソースが不足している(100%を超えている場合)場合は、「To ensure this Cluster remains functional after 2 host(s) failure, add one host with (at least): Memory: 18.46 GB」(例)といった形で表示されます。
(参考訳:このクラスタでホストが2台停止した場合でも機能を維持するには、ホストに最低でも18.46GB分のメモリを追加する必要があります。)
このレポートを使用することにより、VMware/Hyper-Vのクラスタ構成が有効に機能するか、あるいは有効に機能するリソースの限界点はどこか、といった可用性の幅を調査し、ホストのリソース増強やその量を正確に確認することが可能です。
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