仮想環境の導入によって、サーバー構築時に物理筐体を用意する必要がなくなり、必要な時に簡単にサーバーを構築することができるようになります。しかし、その反面、すでに使用されていないような不要な仮想マシンがいつまでも残り続け、仮想環境のリソースを圧迫してしまうかもしれません。
前回の仮想リソースの割り当てが不足/過剰な仮想マシンに続いて、この記事では、すでに使用されていない不要な仮想マシンを見つける方法について紹介します。
今回もVeeam ONEに用意された多数の便利なレポートテンプレートを使用します。
※ Veeam ONEは仮想環境(VMware/Hyper-V)の監視、レポート生成ツールです。仮想環境のデータ保護ツールVeeam Backup & Replicationの姉妹製品となります。
~アイドル状態の仮想マシンを見つける~
アイドル状態とは、システムが利用可能ではあるが、何の処理も行われていない、動きがない状態をいいます。
Idle VMsレポートでは、このような一定期間動きのない、アイドル状態の仮想マシンを見つけることができます。パラメーターとして、CPU、メモリー、ディスク、ネットワークの使用率のしきい値を指定し、仮想マシンの最大リソース使用率がこのしきい値を指定した期間、下回っていた場合に検出します。
パラメーター例:
- 分析する範囲(vCenter、クラスター、ESXi)
- 分析する期間(日、週、月、四半期、年)
- CPU、メモリー、ディスク、ネットワークのしきい値
- 分析する期間の内、しきい値を下回っている期間
サンプルレポート:Climb_Idle_VMs
下図は一定期間指定したしきい値を下回っていた、動きのない仮想マシンの一覧です。
例えば、Orig_CentOS CUIは一定期間(1週間)の最大リソース使用率がCPU: 3.21MHz、メモリー: 0.20GB、ディスク: 0KBps、ネットワーク: 0KBpsだったため、1週間の内、7日間しきい値を下回っていました。そのため、アイドル状態の仮想マシンとして検出されています。アイドル状態の仮想マシンは使用されていない可能性が高いため、削除することを検討できます。
~一定期間起動していない仮想マシンを見つける~
上記レポートでは、起動しつつも使用されていないような仮想マシンを見つけることができましたが、もしかしたら長い間起動すらしていない仮想マシンが残ってしまっている可能性もあります。
Powered Off VMsレポートを使用することで、指定した期間中、起動していなかった仮想マシンを検出することができます。
パラメーター例:
- 分析する範囲(vCenter、クラスター、ESXi)
- 分析する期間(日、週、月)
- 分析期間中に仮想マシンが起動していなかった割合
サンプルレポート:Climb_Powered_Off_VMs
下図は一定期間起動していなかった仮想マシンの一覧です。
例えば、DB_Oracle10gは一定期間(1週間)の内、100%、つまり1週間ずっと起動していませんでした。しかも、この仮想マシンのサイズは111.12GBあります。つまり、1週間一度も起動していない仮想マシンが100GB以上のディスクリソースを消費していることになります。削除してしまえば、リソースの確保につながるでしょう。
~まとめ~
このように、Veeam ONEのレポートを使用することで、起動しつつも使用されていない仮想マシンや、そもそも起動すらしていない仮想マシンを見つけることが可能です。仮想環境に多数の仮想マシンが存在している場合など、その仮想マシンが本当に必要か、それとも不要なのかを判断するのに役立ちます。
レポートの生成、配信、アラート機能によるリアルタイム監視が行えるVeeam ONEには30日間の評価版もございます。お問合せはこちら。
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