●vStorage APIとは?
外部アプリケーションとインターフェイスしたり、オペレーティング・システムやvSphereのようなアプリケーションとコミュニケーションするためのスクリプトです。APIはコールされたときに実行されるサブルーティンにリンクされた、vSphereに組み込まれたファンクション・コールを利用します。vShpereは分野ごとに多くのAPIを持っています。vStorageAPIは特別のストーレジ関連ファンクションが可能で、下記のようなセクションで構成されています。
• vStorage APIs for Multi-Pathing (VAMP) – vSphereのマルチパッシング機能への拡張
• vStorage APIs for Site Recovery Manager (VASRM) –Site Recovery Managerのリモート・レプリケーション機能への拡張
• vStorage APIs for Array Integration (VAAI) – アレー・ベンダーがVMkernelから特定のタスクのオフロードが可能
• vStorage APIs for Data Protection (VADP) –サード・パーティのバックアップ・データ保護アプリケーションに対して拡張機能と柔軟性を提供
vStorage APIはバーチャル・ディスク・ファイルを直接にアクセスできるということでVCBに似ています。しかしvStorage APIはVCBのようなスタンドアロンアプリケーションではなく、機能するためにVCBには依存しません。vStorage APIはバックアプリケーションに対して多くの柔軟性、信頼性、多くの機能を可能とするVCBのVMware進化です。
●vSphereでvStorage APIはどのように変化したか?
VI3にはvStorage APIは存在しましたが、CB Backup Frameworkとして参照されていました。VMwareはこれをvStorage APIと名前を変え、いくつかの新機能を追加しました。もっとも重要な機能はChanged Block Tracking (CBT)と呼ばれ、VMkernelにVMのバーチャル・ディスクの変更ブロックのトラックを可能にしました。
またvStorage APIはVCBを使用することなく、SAN(storage area network)上で直接Virtual Machine File System (VMFS)ボリュームへのアクセスが可能となりました。これはまだvSphere を使用していなく、バックアップ用のVCBの使用中止を検討しているユーザには有益なものです。
●どうしてvStorage APIは重要なのか?
CBT(Changed Block Tracking)を使用することで、バックアップ・アプリケーションは独自の変更ブロックのトラックをスキャン、保持する必要がなくなり、VMKernelへのAPIコールを使用して情報へのクエリをシンプル化することができます。CBTを使用することで、最後のバックアップから変更されたVMイメージ全体をスキャンする必要がなくなり、増分バックアップはより高速になりました。
これは:
・ストーレジ装置とネットワークでのI/Oアクセス低減
・ ホスト・サーバでのI/O とCPU使用の低減
が理由になります。
CBTを使用した結果としてのリソース低減量とそれがどこで発生したかはマックアップ・モードが基礎になります。Veeam Backup and Replicationはバーチャル・マシンのバックアップでは;SANモード、バーチャル・アプライアンス・モード、ネットワーク・モードの3タイプ・モードで使用が可能です。
それぞれのモードは利点があります。SANモードではバックアップ。サーバはvStorage APIを使用して直接にSANに接続できます。これはバーチャル・ディスク・ファイルを直接にアクセスができるからです。この方法はCBTによるSANストーレジ・デバイスでのI/O低減を結果としてもたらします。
バーチャル・アプライアンス・モードではバックアップ・アプライアンスVMはシェアード・ストーレジ・ボリュームからHot Add(動作中の仮想マシンにCPUやメモリを自由に追加)機能によりバーチャル・ディスクに接続します。この手法はCBTによるシェアード・ストーレジ・ボリュームでのI/O低減、ホストでのI/O低減、バックアップされているVMのホストでのCPU使用率低減をもたらします。(注:クラスタ毎にアプライアンスが1つ必要です。)
ネットワーク・モードではバックアップ・サーバはバックアップされるVMのホストにネットワーク経由で接続します。CBTにより、シェアード・ストーレジ・ボリュームでのI/O低減、ネットワークI/Oの低減が結果として得られます。
CBT(Changed Block Tracking)機能はバックアップ実行時にリソース消費の更なる低減をもたらします。
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