スナップショットはHyper-V管理者のツールキットとして重要な一部です。Hyper-Vのスナップショットを使用して管理者は以前の状態にロールバックしたり、変更を元に戻したり、リカバリ時間を削減したりすることができます。しかしそれを正しく使用することを知らなければ、障害に陥ったり、不注意にVMパフォーマンスを落としたりすることがあります。自身の仮想化概念を持つ前に、いつ、どのようにHyper-Vスナップショットを使用するかを確認する必要があります。
Hyper-Vスナップショットとは?
Hyper-Vスナップショットの定義は難しいものです。その混乱は矛盾した用語と命名規則に由来し、IT専門用語によくありがちな問題のようです。最も重要なことは Volume Shadow Copy Service (VSS)スナップショットとHyper-Vスナップショットと同じにしないことです。両方とも仮想マシン(VM)を前の状態にリストアするのに使用されますが、基礎的に違った手法で稼働します。VSSはファイル・システムのブロック・レベルで稼働し、ディスク情報をバックアックするだけです。一方Hyper-Vのスナップショットは変更を追跡するための隔離した自動Virtual Hard Disk (.AVHD)ファイルを作成することでVMのディスクとメモリ情報をキャプチャーします。VSSスナップショットと違い、Hyper-Vスナップショットはバックアップやディザスタリ・リカバリには対応しません。構成変更やパッチ・アップデートが問題を起こす代わりに、トラブルシュートのオプションとして使用すべきです。
Hyper-Vスナップショットはどのように稼働し、何がそれを使用しますか?
Hyper-Vスナップショットを作成した時に、ユーザは実際には差分ディスクを作成しています。差分ディスクは変更や違いを保存し、それ以外の場合は元の仮想ハードディスクに書き込まれます。VMが変化をするに従い、差分ディスクのサイズは大きくなります。VSSのスナップショットはそれとは違い、特定の時間にディスク・イメージのコピーを作成します。Hyper-Vスナップショットは独立したバックアップというより、「Undo」オプションとしてとらえられます。
Hyper-Vスナップショットは管理者が想定外の問題によりアップデートの失敗や構成変更に気が付いた時に以前の状態にVMを素早く戻すことには非常に利用価値があります。マイナス面として、チェック無くそのままにされた場合には差分ディスクは拡大し、VMパフォーマンスは低下し、ハードディスクをフラグメント化させます。
どの様にHyper-Vスナップショットを取り扱うか?
大多数の管理者はVMの状態に変更リスクがある直前にスナップショットを作成する選択をします。 Microsoft Management ConsoleのHyper-V ManagerからHyper-Vスナップショットを作成することは非常に単純な処理です。VMを右クリックし、スナップショットを選択します。スナップショットの作成時間はVMのサイズ、ディスク全体のI/O負荷など多くの要因に依存します。
拡大を続けパフォーマンスを阻害する古いスナップショットを削除したりマージさせることは重要なことです。Windows Server 2008 R2では完全にスナップショットを削除させることはVMのシャットダウンを意味します。
Windows Server 2012でのHyper-Vスナップショットで何が変わったか?
Windows Server 2012で作成されたスナップショットはマージと、VMをシャットダウンさせることなく完全に削除が可能です。このスナップショットのライブ・マージは管理時間の削減と、二次的なダウンタイムのリスク無く、VMのアップデートの実行が可能です。(一度アップデートを実行し、再度スナップショットを削除) この新規機能でHyper-VのスナップショットはVMwareのスナップショットと一致するものとなり、スナップショットのマージにVMのシャットダウンを要求しなくなりました。