VMworld 2014の2日目の基調講演でvSphere 6で行われる予定のvMotionの機能強化が発表されました。強化、改善内容としては以下のようになっています。
- vCenter間でのvMotion(VCS)
- 仮想スイッチ間でのvMotion:標準仮想スイッチ(VSS)と分散仮想スイッチ(VDS)
- ルーティングされたvMotionネットワークでのvMotion
- 長距離でのvMotion
- 恒久的な移行(データセンターの拡張や買収、統合など)
- 災害時の避難
- SRMと災害避難のテスト
- マルチサイトの容量利用
- Follow-the-Sunモデル(グローバルな24時間体制)での利用
- vSphereベースのパブリッククラウド(VMware vCloud Airなど)への搭載
・データセンター間のVMの移動
特にデータセンター間でもvMotionが可能になるという点は大きな強化です。vSphereを扱っている技術者はvCenterの構成によりvMotionのドメインを制限(多くの場合はデータセンター内)されています。
そのため、これからはvSphere 6の新たなワークフローを使用して、データセンター及びvCenterという境界超えてvMotionでVMを移動できるようになり、より柔軟に仮想環境を変化させていくことができます。
また、これにより2か所にまたがる単一のvSwitch構成が必要なくなり、ネットワークから別のネットワークへ飛び越えてvMotionが可能になります。
以下のような構成が可能です。
- VSSからVSSへ
- VSSからVDSへ
- VDSからVDSへ
・ルーティングされたvMotionとRTT許容の増加
そしてvSphere 6からは特別な資格情報を使用せずにルーティングされたvMotionネットワークで仮想マシンの移行が可能になります。また計画されている便利な機能の一つにNFCネットワーク上でのパワーオフされたVMのvMotionまたはクローンを行うための機能が展開されています。
最後にvMotionを行うための待ち時間の要件が10倍に増加しました。現在、Enterprise Plusを利用している場合、vMotionで許容されるRTT(ラウンドトリップタイム)は10ms以下です。これが新しいリリースでは100msまで増加しています。
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