VMware vSphere環境では通常、利便性の向上のために仮想マシンにVMware Toolsを導入します。
しかし、最近VMware社からは、ESXiにバンドルされているVMware Toolsではなく、各Linuxディストリビューションからリリースされているopen-vm-toolsの利用が推奨されています。
“VMware recommends using the Open VM Tools redistributed by the operating system vendors”
参考訳:「VMwareはOSベンダーより再配布されているOpen VM Toolsの利用を推奨します。」
■CentOS 7におけるopen vm toolsのインストールについて(英語ページ)
http://partnerweb.vmware.com/GOSIG/CentOS_7.html#Tools
このopen-vm-toolsはVMware Toolsのオープンソース版の実装です。
VMwareがオープンソースとして公開したVMware Toolsのソースコードが元となっており、VMwareではopen-vm-toolsを完全サポートしていると明言しています。
■VMware Toolsオープンソース化のプレスリリース
https://www.vmware.com/jp/company/news/releases/20070911b
「OS ベンダやコミュニティによって再配布され、認定された OS 上で利用される open-vm-tools は VMware によって完全にサポートされます。」
■open-vm-tools に対する VMware のサポートについて
http://kb.vmware.com/kb/2074713
機能面ではOpen VM ToolsはVMware Toolsとほぼ同等のものとなります。
Open VM Toolsの利用が推奨されている理由ですが、VMware Toolsの導入にあたって、Linuxの場合、gcc/perlといった追加パッケージの導入が必須であったり、OS設定の再構成を行うといった手間がかかり、また運用に容易に影響を及ぼす作業を必要としていました。
しかし、open-vm-toolsであれば、ディストリビューション公式のパッケージレポジトリでカスタマイズされたパッケージが用意・配布されており、RHEL/CentOSならyum、Ubuntuであればaptで導入できます。
通常のパッケージと同じように導入できるカスタマイズがされているため、使用しているOSのバージョンとVMware Toolsのバージョンの互換性を気にすることなく、これまで使用していたVMware Toolsの機能の大半が利用可能です。
現在、最新のCentOS 7 デスクトップ版では標準でopen-vm-toolsが搭載されています。
ESXiでCentOS 7の仮想マシンを稼動させると左画像のようにサードパーティ製のものとして表示されます。
また、最小インストール版でもyum install open-vm-tools
で導入が可能です。
依存パッケージ:libdnet/libicu
また、Ubuntuではデフォルトでは導入されていませんが、特別なパッケージリポジトリを追加せずにapt-get install open-vm-tools
でインストールすることにより、左画像のように表示されます。
依存パッケージ:libdumbnet1/zerofree
これはVMware vSphere環境だけでなく、VMware Playerといった環境でも利用可能です。
その他VMwareサイト上に各種情報が用意されています。こちらもご参照ください。
■Ubuntu 14におけるopen vm toolsのインストールについて(英語ページ)
http://partnerweb.vmware.com/GOSIG/Ubuntu_14_04.html#Tools
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非常に参考になりました。
Fedora23 Betaではフルスクリーンが使えるとと思ってパッケージを検索したら既にインストール済みでした。
ピンバック: Ruin of tanasinn » Ubuntu に open-vm-tools を入れる(VMware Workstation)