Veeam Bakup & Replicationはエージェントレスで仮想マシンのデータを読み取り、バックアップを行います。このデータの読み取りはVMwareの場合には以下のような3つの転送モードから選択されます。
- ダイレクトストレージモード
- バーチャルアプライアンスモード
- ネットワークモード
詳細:https://www.climb.co.jp/veeam_portal/veeam-backup-15281
大まかにダイレクトストレージ > バーチャルアプライアンス > ネットワークの順番でこれらの転送モードで処理可能なProxyを選択します。
NFSデータストアでは利用可能な転送モードは一般的なVADPを用いたバックソリューションですとバーチャルアプライアンスモードかネットワークモードのいずれかです。しかし、NFS v3のデータストアの場合には、そのファイルロックの仕組みにより、バーチャルアプライアンスモードでバックアップ対象の仮想マシンと別ホストにあるProxyを使用している場合にはバックアップ終了タイミングで仮想マシンが応答しなくなってしまいます。この問題はVeeamの問題ではなく、VMwareのKBにもあるようにVADPを利用しているバックアップソフト全般にいえる問題です。
この対応のためにVMware KBでは以下のような回避方法を案内しています。
- バックアップ対象の仮想マシンと同一ホストにProxy(バックアップアプライアンス)を配置する
- Virtual Applianceモード(HotAdd)での転送を無効にして処理を実施する。
ただこの回避策を実施するためには、Virtual Applianceモードで処理を行いたいユーザも、仮想マシンのスタンを回避するためにNetworkモードを余儀なくされているケースがありました。
※Virtual Applianceモードでの処理を実施するためにジョブで使用するProxy固定し、DRSのルールでProxyと対象の仮想マシンが常に同一のホストにいるよう設定することはできますが…これは言うまでもなく管理の観点からとても手間がかかります。
そこで、Veeamでは上記のような回避方法に加えて以下のようなVeeam独自の回避方法も用意しています。
- Veeam独自の転送方式であるダイレクトNFSでデータを取得する
- 適切なプロキシのみ自動で使用するように設定を行う