SQL Server on Linuxの可用性について ①


先日発表されたSQL Server 2017の中に、Linux版のSQL Serverがあります。
しかし、Windows版とLinux版では可用性とフェイルオーバの実行方法にいくつかの制限と変更があります。

SQL Server on Linuxを導入することを検討している企業は、Linux版とWindows版の機能がどれだけ異なっているか理解する必要があります。今回リリースされる最初のSQL Server on Linuxでは、オンライントランザクション処理、データベースアプリケーション、および基本的なデータウェアハウスをサポートするリレーショナルデータベースエンジンで構成されています。
そのため、Analysis Services、R Services、Reporting Servicesなどの他のサブシステムは含まれていません。
Red Hat Enterprise Linux 7.3、SUSE Enterprise Linux Server 12 SP2、MacOS、Ubuntu 16.04 LTSおよびDocker Engine 1.8以上でサポートされています。

SQL Server on Linuxに関する最大の関心事の一つに、サポートされる高可用性オプションがあります。MicrosoftはSQL Server on Linuxにいくつかの可用性と障害時の復旧オプションを提供します。

◆基本的なSQL Serverの可用性機能

基本的な機能として、SQL Server on Linuxではバックアップと復元、仮想マシンのフェイルオーバ、およびログのエクスポートをサポートしています。これは、Express、Standard、Enterpriseエディションを含むすべてのSQL Serverのエディションで使用できます。

バックアップと復元は、最も基本的なSQL Serverのデータと障害回復機能です。
SQL Server on Linuxではデータベースのフルバックアップ、差分バックアップ、およびトランザクションログバックアップを含む基本的なSQL Serverのバックアップと復元をサポートしています。

SQL Server on Linuxのバックアップと復元は、リモートで接続しているWindowsマシンより、Transact-SQL(T-SQL)またはSQL Management Studioを使用して利用できます。Windows上のデータベースをSQL Server on Linuxへ移行するためにも使用でき、Windows上のSQL Serverをバックアップし、SQL Server on Linuxへとリストアすることもできます。また、逆も同様です。バックアップ形式は同じであり、SQL Server 2014以降で動作するデータベースと互換性があります。

Hyper-VレプリカまたはVMware HA機能を使用して、シンプルなVMフェイルオーバオプションを実装することもできます。これによりホスト、ゲスト、OSの障害からの回復に役立ちます。また、ホストインスタンスにパッチを適用する前に手動でフェイルオーバできるようにすることで、ソフトウェアのアップグレードやパッチ適用などの計画されたダウンタイムを保護することができます。

SQL Serverのログエクスポートは、プライマリサーバのデータベースが1つまたは複数のセカンダリサーバへレプリケーションされる高可用性および障害復旧機能です。プライマリデータベースのバックアップはセカンダリサーバにリストアされます。プライマリサーバは定期的にトランザクションログのバックアップを作成し、セカンダリサーバに転送し、復元します。

SQL Server on LinuxはCIFSやSambaを使用して、トランザクションログのバックアップが保存されているネットワーク共有を設定ます。SQL Server on Linux Agentは定期的にトランザクションログのバックアップをセカンダリサーバに転送するストアドプロシージャを実行するために使用されます。
Windowsと同じくデータベースの復旧は手動で実施します。

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