終焉を迎えるオンプレミスの時代
データベースはオンプレミスで設定・運用して、毎晩自動でクラウドにバックアップ保存する、というパターンは今でもけっこう多いのではないでしょうか。クラウドが最初に導入された頃を思えば、大抵の企業において、入り口はそこだったし、そのまま、その入り口からあまり深入りしていない企業も少なくないようです。しかし、その長かった入り口の時代もついに終わりに近づいています。
米調査会社ガートナーが今夏に発表したレポート『The Future of Database Management Systems is Cloud!(データベース管理システムの未来はクラウド)』によれば、データベースをクラウドに置く企業が飛躍的に増えており、同分野の市場規模は2017年から2018年にかけて18.4%拡大、その68%はクラウド上のDBMSだといいます。市場拡大はAmazon AWSとMicrosoft Azureが牽引し、その2社で全体の75%を占めますが、両社の新規ビジネスはほぼ100%クラウド ベースだと報告されています。
Cloud Firstの時代
さらに重要なことは、DBMSの最新機能が完全にCloud First(クラウド ファースト)になっている点です(○○ファーストという表現は、トランプ大統領のアメリカ ファーストから広まった感がありますが、こんなところで聞くとは思いませんでした…)。つまり、最新技術や機能はまずクラウドで導入され、後から徐々にオンプレミスにも普及するか、あるいはオンプレミスにはもはや普及しない可能性があるそうです。時代はすっかりCloud Firstに突入し、オンプレミスにこだわると取り残されると警鐘が鳴らされています。
これは、データ アナリティクスや機械学習の活用が進んでいることとも大いに関連があるようです。データ分析アプリケーションのクラウド上での運用が進めば、データ管理も当然クラウドで行うのが理にかなっています。ビッグデータの有効利用がビジネス戦略の中心課題となった昨今、SaaSとDBaaSが切り離せなくなっていると言えます。
To Be or Not To Be
現実的には、すでに稼働中の業務システムに細かな改善が繰り返し追加される開発環境において、まるでTo Be or Not To Beのように、オンプレミスかクラウドの二者択一を迫るのは無理があります。現場はそんなに単純で恵まれた環境ではないと、ITチームの悲鳴が聞こえる気がします。データベースも各種アプリケーションもハイブリッド環境での可搬性と拡張性を目指すことが、もっとも現実的で合理的な戦略なはずで、それをサポートできるサービスの需要が今後もっとも見込まれるのではないでしょうか。
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