CloudBerry Backup v5.2以降ではSynthetic Full Backup(合成フルバックアップ)と呼ばれる優れた新機能を備えています。この機能はクラウドへアップロードするデータ量を減らし、全体的なプロセスをスピードアップします。ここでは、この機能の使用方法と技術的な背景を説明します。
ブロック単位の解析アプローチ
CloudBerry Backupには、更新されたイメージブロックだけを含むバックアップをブロック単位で作成する機能があります。それにより、クラウドに送られるデータ量を減らすことができます。しかし、データの喪失を防いだり、迅速なリカバリを実現するためには、定期的なフルバックアップが必要になります。フルバックアップは、すでにコピー済みのデータも含め、大量のデータをアップロードすることになります。これらのプロセスに関しては、こちらの記事で記載しております。
Synthetic Full Backup(合成フルバックアップ)は、アップロードされるデータ量を減らし、フルバックアップの作成を高速化することができます。まず、ローカルコンピュータのデータブロックがクラウドのリポジトリと比べられ、変更されたブロックのみがアップロードされます。そして、クラウドにすでに存在し、前回のフルバックアップまたは合成フルバックアップ以降変更されていないブロックが、この新しいバックアップに自動的にコピーされます。バックアップへのコピーはクラウド内のAWSサービスによって行われます。
上記のプロセスにより、合成フルバックアップはローカルコンピュータからアップロードされるデータ量を大幅に削減します。バックアップの処理速度が20倍速くなったというテスト結果も記録されています。(これは、クラウド内でのファイルのコピーが、ローカルPCからクラウドへのコピーに比べて著しく速いことに起因します。)ただし、この機能が実行できるのは、現時点では、クラウドストレージ内でのデータブロック移動が可能なAWSに限られます。Azure Blobストレージでも同様の機能が実行できるように、現在、開発が進められています。
この合成バックアップをAmazon S3 Standard-IAストレージクラスに対して使用する場合は、料金設定の契約条件を考慮してください。2回目のフルバックアップを実行するとき、ファイルの主要部分はクラウド内でコピーされ、料金($0.01/GB)もそれに応じて発生します。
合成バックアップの手順
Synthetic Full Backup(合成フルバックアップ)の使用には下記の制限があります。
- 対象となるクラウドストレージはAmazon S3に限られます。
- 前回のフルバックアップから、エンクリプション(暗号化)の設定が同じ状態で保たれなければなりません。
- 合成フルバックアップを有効にする前に、フルバックアップが1回以上は実行済みでなければなりません。
上記の条件を満たした上で、合成フルバックアップを行うために、イメージベースのバックアッププランで設定します。バックアッププランのブロックレベルオプションのステップで、ブロックレベルのバックアップを使用のチェックボックスを選択します。さらにウイザードを進め、フルバックアップスケジュールのステップで、Synthetic full backupチェックボックスを選択します。
その後、バックアップ計画タブから作成したバックアップ計画に対し、フルバックアップの強制実行を選択し、合成フルバックアップを開始します。進捗状況は進捗タブで確認することができます。
合成イメージはバックアップストレージタブにおいて表示されます。
CloudBerry Backupは合成イメージをフルバックアップとして認識します。(技術的な観点から、両者には特別な相違はありません。)
注:バックアップ元のパーティションが100MBを下回る場合、合成フルバックアップ機能に特に有用性はありません。
無料トライアル版
以上が、Synthetic Full Backup機能を用いて、アップロードするデータ量を削減し、イメージ作成をスピードアップする方法です。CloudBerry Backupの15日無料トライアル版をダウンロードし、是非このバックアップソリューションをお試しください。お申込みサイト
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