仮想マシンの整合性のあるバックアップ方法【Veeam Backup & Replication】


データの整合性とは、オペレーティングシステムとアプリケーション間のデータの妥当性、正確性、有用性、正確性を合わせたものです。これは、バックアップソリューションの重要な特性です。このブログでは、様々なレベルのバックアップの整合性を定義し、Veeamのバックアップに整合性があることを確認する方法を説明します。

今日では、企業にとってデータの整合性が重要ではない状況を想像するのは難しいです。銀行システムのように数千規模の金融取引が行われ、データが常に変更されている場合は特に問題になります。

バックアップ整合性のレベル

相互に依存するファイルが同一であることを保証でき、トランザクションデータの損失に対する保護があるかどうか、バックアップがライブシステムから取得することができるかどうかによって、バックアップ整合性にいくつかのレベルが存在します。

バックアップ整合性のレベルについて1つずつ考えてみます。

◇非整合バックアップ
これは、ディスクドライブ、USBディスクやNASなどの別の場所に全てのコンピュータのファイルを持っていく単純なファイルコピー操作だと想像することができます。バックアップの実行中にファイルに変更が発生した場合、バックアップは非整合となります。この場合、バックアップは元のシステムファイルと同一ではありません。さらに、仮想マシンのゲストOSを構成する多くのファイルは異なるタイムスタンプを持つかもしれません。そのため、不明瞭なリカバリポイントが作成されます。

この方法では、システムメモリからデータが保存されず、読み込みのためにロックされたファイルへのアクセスに問題があるかもしれません。

◇クラッシュ整合バックアップ
次のレベルはクラッシュ整合 バックアップです。非整合バックアップとの主な違いは、クラッシュ整合バックアップのデータは同じ時点で保存されます。ディスク上の全てのファイルの即時スナップショットのイメージです。

しかし、このバックアップには“クラッシュ整合”と呼ばれる理由があります。このバックアップからシステムを復元することは、このバックアップ中に開いていたファイルや保留中のI/O操作が保存されずにハードリセットした後に、システムを復元するのと同じことです。なので、いくつかのアプリケーションはクラッシュ後のメンテナンスと特殊な操作を要求するでしょう。つまり、様々なデータベースアプリケーションには特に有害である可能性があります。

例えば、Microsoft Exchangeは特別なリカバリグループのセットアップとログファイルの統合が必要になります。Microsoft SQLやOracleはバックアップ進行中のトランザクションをロールバックする必要があり、DBにコミットされません。これはディスクの準備なしにサーバからプラグを引き抜いてデータをバックアップすることに似ています。

◇ファイルレベル整合バックアップ
このバックアップでは、システム内の全てのファイルは、ファイルの最新の更新情報を保存しないクラッシュ整合と違い、整合性のある状態を持っています。それでもやはり、実行中のアプリケーショントランザクションは、まだ保護されていません。

ESX(i)ホスト上で動作している仮想マシンは、VMwareがVMware Toolsによる静止を提供しています。実行中の仮想マシンのスナップショットを作成する際に、VMware Toolsが仮想マシンのファイルシステムを静止します。

◇トランザクション整合バックアップ
このバックアップは、前述の欠点を含まず、完了したトランザクションを含んだ同時点の全てのデータを持ちます。ここでの課題は、ダウンタイムが禁止され、アプリケーションが実行中のときに、ライブシステム上でバックアップを成功することです。

VeeamはMicrosoft Volume Shadow Copy Service (VSS)の助けを借りて、トランザクション整合バックアップを行うことができます。Microsoft VSSはOS上のアプリケーションを“静止”するために、システム上で実行する必要のある特定のアクションを連携させることができます。それがトリガーされたときにディスクI/Oを一時停止して、バックアップソフトウェアを支援します。Microsoft VSSはWindows Server 2003以降のすべてのWindows OSに含まれます。

Application-Aware Image Processing (AAIP)は、データを損失することなくVMにインストールされているすべてのアプリケーションを適切に復旧し、VMの正常な復旧を確実にするVeeam独自の技術です。Veeam Backup & ReplicationはVM内に永続のエージェントを展開しません。しかし、バックアップ操作が要求された時点で、VMごとにランタイム調整プロセスが使用され、終了したときに削除されます。このプロセスは事前インストールやトラブルシューティング、エージェントの更新のようにエージェント関連の活動をできる限り防止するように設計されています。

VSSによる凍結をトリガーするには、Veeam Backup & ReplicationはVSSリクエスタとして動き、VMにスナップショットやHyper-Vシャドウコピーを作成する前に、アプリケーションデータの一貫性と信頼性が高い状態を作成するために、Microsoft VSSを要求します。その後、VSSプロバイダは、特定の時点ですべてのI/O操作を凍結するために、VSS対応アプリケーションと連携します。

これは、データのコピー操作中に未完了のデータベーストランザクションまたは不完全なアプリケーションファイルが存在しないことを保証します。

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