Veeamのジョブは複数VMを登録し、スケジュールに従って実行されます。そのため、バックアップ時には登録された全てのVMの増分バックアップを取得する必要があり、変更量の多い仮想マシンが混じっていると時間がかかってしまいます。
これを改善するためにVeeam Ver8ではQuick Backup機能が追加されます。この機能によりVMを指定してQuick Backupを実行すると、そのVMに対してのみ増分バックアップの世代を作成できます。
※v8ではv7で追加されたvSphere Web Clientプラグインも機能強化されます。vSphere Web ClientからQuick Backup、Veeam ZIPを実施可能です。
Quick Backupは増分バックアップを実施する機能ですので、対象のVMは通常のバックアップジョブで前もってフルバックアップを取得されている必要があります。
例えば、3つの仮想マシンをバックアップ対象としているジョブがあります。このジョブは既に一度だけジョブを実行していますのでフルバックアップが作成されどのVMも1世代のみ保持されています。
ここでVeeamMPマシンのみQuick Backupを実施します。これにより、ジョブが起動しますが、増分バックアップが実行される仮想マシンは指定したもののみです。
完了後、世代を見るとVeeamMPマシンのみ世代が2に増えていることがわかります。
このように任意のタイミングで増分バックアップを実施できるため、仮想環境の管理者が週1回のスケジュールバックアップをジョブで設定しておき、各仮想マシンの管理者が必要に応じてあるタイミングでの世代を作成する、といったような運用も可能になります。
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