Veeam Backup & Replicationのバックアップモードは増分(Forward Incremental)と差分(Reversed Incremental)の2種類があり、バックアップファイルが使うストレージの容量と作成時のI/O負荷を考えて最適なモードを選択します。
増分、差分バックアップにおけるリポジトリへのI/Oの違い
バックアップモードによる保持するバックアップファイルの違い
増分(Forward Incremental)はI/Oが少なく、書き込みに1I/Oのみ必要です。しかし、設定した世代数を確保するためには、世代数以上のディスク領域を消費します。
一方、差分(Reversed Incremental)はストレージを効率的に使用する際に最適です。常に1つのフルバックアップファイルとそれに連なる差分バックアップファイルで構成されています。ただし、I/Oの負荷が大きく、3I/O必要です。
これらを踏まえて、Version 8で提供される新しいバックアップモードが『永久増分バックアップ』です。Version 7のバックアップコピージョブで使用されていたもので、今までの増分バックアップがこの方式に変更されます。必要なストレージ容量が差分バックアップと同じであることに加え、I/Oは2I/Oに減っています。
処理を簡単に説明しますと、
① 新しい増分は最新のリストアポイントとして作られます。
一時的に設定数よりリストアポイントが1つ多くなります。
② リストアポイントの中で最も古いフルバックアップファイルに最も古い増分バックアップファイルのブロックを注入します。
ここで必要なI/Oは増分からデータを読み取るために1I/O、フルにデータを書き込むために1I/O、合計で2I/Oです。
③ 最も古い増分が削除され、フルがその世代に移動します。
この操作は新たな増分が作成されるごとに実行されます。
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