【Veeam Backup & Replication Ver8の150以上の機能改善】基本機能部分の改善について


Veeam Bavkup & Replication v8では以下のような大規模な機能追加、改善が行われています。

  • NetAppストレージとの連携機能
  • Veeam Explorer for Microsoft Active Directory
  • Veeam Explorer for Microsoft SQL Server
  • Veeam Explorer for Microsoft Exchange
  • EMC Data Domain Boost
  • エンドto エンドの暗号化
  • レプリケーションの改善
  • Veeam Cloud Connect
  • バックアップI/Oコントロール
  • アプリケーションオーナーのためのセルフリストアポータル

しかし、Ver8で変わったのはこれらだけではありません。基本的な機能やVMware、Hyper-Vとの連携強化、各種リストアの効率化など様々な機能改善が行われており、それらをすべて合わせると150以上もの機能改善が行われています。
今回はこのような機能改善のうち基本的な機能の改善に当たる部分で特に特徴的なものをご紹介します。
※機能改善の一覧についてはこちらから”[技術資料]v8の新機能.pdf”をダウンロード可能です。

    • 永久増分バックアップモード

下記のブログでも紹介していますが、永久増分バックアップという形式が新たに追加されます。これは最も古い世代が常にフルバックアップとなるようにマージ処理を行うモードです。これがVer8からはデフォルトのバックアップモードとして使用されます。
//www.climb.co.jp/blog_veeam/veeam-backup-11442
このモードの優れている点としては単純に、毎回のバックアップでマージ処理を行うためバックアップ容量を削減できる点に加えて、差分バックアップに比べVMのスナップショットの保持時間を削減できる点があります。
差分バックアップでは、プライマリストレージからの変更ブロック読み取りとフルバックアップへのマージ、差分ファイルの作成を全て同時に行います。そのため、リポジトリのディスクI/Oがボトルネックとなっているような場合には、プライマリストレージからの変更ブロック読み取りがリポジトリでの処理を待つことになり、VMのスナップショット削除が遅くなります。
しかし、永久増分バックアップではこれを回避できます。理由としては、初めにプライマリストレージからの変更ブロックの読み取りと増分ファイルの作成を行い、増分ファイルの作成完了後にVMのスナップショットを削除してしまうためです。そして削除後に古い世代をフルバックアップへとマージ処理します。

    • クィックロールバック

VeeamではVer7までリストアの際のオプションとしてロールバックを用意していませんでした。この理由としては変更ブロック以外の破損にはロールバックでは対応できず、ロールバックにより一旦は復旧したとしてもしばらくすると、再度、障害が発生する可能性を含んでいるためです。そのためVeeamではインスタントVMリカバリという独自方式での高速な復旧方法を用意していました。
ただユーザからの要望が多かったこと、アプリケーションレベルの問題のみであればロールバックでも対応可能であることからVer8ではこの機能がオプションとして追加されました。
クィックロールバック

    • プレ-ジョブ スクリプト

Veeam v7まではジョブ終了後に実行するポスト-ジョブスクリプトのみ使用できました。v8ではこの機能が強化されジョブ開始前に実行できるプレ-ジョブスクリプトが使用可能になりました。そのため、このプレ-ジョブスクリプトを使用して、PowerCLIから特定のVMのみを停止するようなスクリプトを設定することも可能です。
プレジョブスクリプト

    • 優先ネットワークの選択

プロキシやリポジトリが複数ネットワークに接続しているような場合に、優先するネットワークをVeeamのコンソール上から設定できます。これにより、今までのWindowsによるネットワークの選択によらず、確実にデータ転送経路を指定できます。
優先ネットワーク

    • カスタムなpre-freeze / post-thawスクリプト

カスタムなスクリプトで静止点作成を行う場合にv7まではVMware Toolsの静止点作成機能を利用していました。Ver8ではVMware Toolsに頼らずともVeeamのコンソールから直接スクリプトを指定し、静止点作成時に自動的に実行されるように設定できます。これによりVMware環境ではゲストOS内のVMware Toolsフォルダに配置するといった手間の削減、Hyper-Vの場合には不足していたカスタムスクリプトの実行機能を提供します。
カスタムスクリプト

    • Linuxのインデックス作成

v8から新たにmlocateを実装しているLinuxのゲストファイルシステムのインデックス作成がサポートされました。これにより、v7まではVeeamコンソールからしかリストできなかったLinuxのファイルを、Veeam Web UI(Enterprise Manger)からもリストア可能になりました。
Linuxインデックス

このように様々な機能がv8では改善、追加されより便利になっています。今後もこのような新機能、改善を紹介していきますが、ブログでは掲載しきれないほどの改善があります。是非一度、ドキュメントの”[技術資料]v8の新機能.pdf”をご参照していただければと考えております。

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