Veeam Backup & ReplicationはVer9からOracle VMのトランザクションログのバックアップに対応し、Veeam Explorer for Oracleにより、指定したトランザクションの直前まで簡単にリストアできるようになりました。
Veeam Explorer for Oracle
- トランザクションレベルでの復旧
- トランザクションログのバックアップとリプレイ
- Windows/Linux OS仮想マシン上で稼働するOracle両方をサポート
- Oracle自動ストレージ管理(ASM)と完全な互換性
操作の方はデモ動画見ていただくとして、本ブログではこの機能を使用するための要件や仕組みなどを紹介させていただきます。
まずOracleの要件ですが以下のようになっています。
- WindowsまたはLinux VM上で動作するOracle 11以降のOracleデータベースをサポート
- Oracle 11g 以降の自動ストレージ管理(ASM)をサポート
- Microsoft Windowsマシンで実行されているOracle Express Databasesをサポート
- データベースはアーカイブログモードで実行されている必要があります。
次にトランザクションログのバックアップの仕組みです。トランザクションログのバックアップ自体は通常のイメージレベルバックアップを行うジョブを親とし、その子ジョブとして実行されます。
- 親のバックアップジョブがスケジュールにより実行
- 親のバックアップジョブがOracl VMのイメージレベルのバックアップを作成し、これをバックアップリポジトリに保存
- トランザクションログのバックアップを行う新しいセッションが開始され、ゲスト処理を行い、データベースの情報を収集、トランザクションログハンドルするために、VMゲストOSにアクセス
デフォルトではVeeam Backup & Replicationはネットワーク越しにVMゲストOSへアクセスします。
- LinuxゲストOSの場合:SSH
- WindowsゲストOSの場合:RPC
ネットワーク接続を確立できない場合、VMゲストOSにVIXを使用し、VMware Tools経由でアクセスします。
- 一時的なプロセスをVMゲストOS上にデプロイ
この一時的なプロセスはOracleシステムをスキャンし、ログを処理する必要のあるデータベースに関する情報を収集します。
- 全てのデータベースの一覧
- データベースの状態:データベースのロギングモードが有効か無効か
- 全てのデータベースファイルに関するパス(構成ログなど)とバックアップに必要なその他のデータ
- 構成データベースに保持されている情報とステップ4で収集されたOracleシステムに関する情報を対応付け
この対応付けは、この間隔のセッションで配布する必要のあるトランザクションログを、決定するために活用されます。
- トランザクションログのファイルをOracle VM上の一時フォルダから、バックアップリポジトリに転送
ソース側のデータムーバがログデータを組み込みの設定に従い圧縮します。バックアップリポジトリ側ではバックアップジョブの設定に従いデータは圧縮されます。
ジョブの設定でアーカイブされたトランザクションログのバックアップをVMゲストOSから削除するように指定している場合にはOracle VMの一時フォルダからこれを削除します。
このようにバックアップされたトランザクションログはVeeam Explorer for Oracleにより以下のようにリストアされます。
- VeeamコンソールからVeeam Explorer for Oracleを起動
Veeam ExplorerはOracleの階層情報を取得し、この情報を表示します。
- データベースのリストアが実施されると、バックアップが保存されているリポジトリから、OracleサーバにOracle VMのファイルシステムをマウント
マウントにはVeeam Mount Serviceが実行されているサーバが使用されます(ここではVeeam Explorer for Oracleを実行しているローカルマシン)。一般的に運用中のOracleサーバがマウント先として使用されます。指定されたサーバにVMがマウントされると、対応する以下のフォルダが作成されます。
- Windowsの場合:C:\VeeamFLR
- Linuxの場合:/tmp/Veeam.Mount.XXX
- VeeamはネイティブのOracleリカバリマネージャ(RMAN)を活用し、データベースのリストア操作を実施
RMANに必要となるデータベース・ファイルのパスとその他の情報を転送し、その後、データベースファイルはターゲットのOracleサーバにリストア(データベースが再作成)され、使用可能な状態となります。
このように、OracleデータベースのトランザクションログのバックアップをエージェントレスなままVeeamから自動的に行い、RMANでのリストアもVeeam Explorer for Oracleから簡単に行えるようになっています。
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