VeeamONでの新発表を簡単にまとめてご紹介いたします。今回の記事では製品としてVeeam Backup & Replicationのv10で実装予定の機能に関して主にご紹介しております。
まず、大きな新機能としては以下の4つがあげられます。
- WindowsとLinux用のエージェント(Veeam Agent for Windwos/Linux)がVeeam Backup & Replicationに完全統合!
これにより物理コンピュータのバックアップをサポートします。これには、エージェント展開の自動化とジョブ管理が含まれています。これにより、Veeam Backup & Replicationが現在、仮想マシンに対して提供しているのと同じような管理、バックアップが物理的なワークステーション、サーバー、およびフェールオーバークラスタでも可能になります。多くのお客様から長年の間、要望をいただいていた本機能が、スタンドアロンなエージェント製品との統合により、ついにv10で実現します。
- ファイル共有とネットワーク接続ストレージ(NAS)バックアップのサポート
お客様の環境で仮想マシンの容量に比べ、10倍以上の非構造化データの容量を持つことが珍しくないことから、物理マシンのバックアップとは異なる観点で多くの要望をいただいていただ機能です。このスケーラブルなディスクtoディスクのバックアップ機能により、SMB(CIFS)とNFS共有を保護できます。これにより、ランサムウェアなどにより、共有の状態をロールバックする必要があるようなケースでも復旧が可能になります。
- Veeam CDP機能による15秒間隔でのレプリケーション
Veeamのv9.5現在のレプリケーションではRPOとして短くても15分間隔程度です。これがv10ではVeeam CDP機能により、15秒間隔程度まで短くすることが可能になります。v9.5でのレプリケーションはスナップショットベースですが、v10では新機能のVeeam CDPを使用しvSphere API for I/O Filtering(VAIO)を用いたレプリケーションが可能になります。このAPIは弊社で取り扱っているストレージの高速化ソフトInfinioでも用いているものであり、VMからのI/OストリームvSphere上に実装されたI/Oフィルタにより処理が可能になります。これにより、Infinioでは読み取りキャッシュを実現していますが、Veeam CDPでは書き込みI/Oをキャプチャし、スナップショットを使用せずに仮想環境への影響の少ないリアルタイム性の高いレプリケーションを実現できます。
- オブジェクトストレージ(S3/Swift互換、Amazon S3、Glaicier、Azure Blobストレージ)への対応
スケールアウトバックアップリポジトリ用のリポジトリとして新たにアーカイブTierのリポジトリをサポートします。このアーカイブリポジトリをスケールアウトアリポジトリに追加することで、GFSフルバックアップなどの古くなったバックアップを自動的に安価なクラウド上のオブジェクトストレージなどをアーカイブ可能です。
さらに、その他にも以下のような新機能をv10では実装予定です。
- ユニバーサルストレージ統合API
ストレージスナップショットからのリストアやストレージスナップショットからのバックアップ(BfSS)などのストレージ統合を実装するための、ユニバーサルなプラグインフレームワークが用意されました。これにより、Veeamのパートナーとなっているストレージプロバイダは、プライマリストレージとVeeamの統合をより容易に行えるようになります。このAPIによりv10では新たにIBM Spectrum Virtualize(IBM SANボリューム・コントローラー(SVC)およびIBM Storwizeファミリー)、Lenovo Storage VシリーズおよびINFINIDATがプライマリストレージ連携で新たにサポートされます。
- セルフサービス機能の強化
VeeamではEnterprise ManagerのWeb UIからスコープを制限した、セルフサービスなリストア機能を提供しています。このときに使用することのできるユーザはVeeamから参照可能なWindowsのユーザかvCloud Directorのユーザとなっていました。v10ではこれにvCenterサーバの権限に基づいた役割ベースでのアクセス制御によるVMwareワークロードのセルフサービスなバックアップとリストア機能が追加予定です。
- Oracle RMAN統合
v9.5ではOracleのアーカイブログのバックアップに対応していますが、v10ではさらにRMANのバックアップをVeeamのリポジトリにシームレスに保存でき、Veeamコンソールから簡単にリストアできるようになります。
- バックアップ・コピー機能の強化
バックアップファイルをDRサイトなどに2次バックアップするための機能であるバックアップ・コピー機能に、バックアップ・コピーのモードとして新たに単純にコピーを行うのみのモードであるシンプルモードの追加、トランザクションログのバックアップもバックアップコピー可能に、ストレージのレプリケーション機能との統合(仮)をv10で予定しています。
また、上記はVeeam Backup & Replicationに限った発表でしたが、この他にも以下のような発表がVeeamONでは行われました。これらについては次の記事にてご紹介予定です。
- Veeam Cloud Connect強化(vCDとテープ対応)
- Veeam Availability for AWS(N2W)
- Veeam PN
- Veeam MP v8u4
- Veeam Office 365 v1.5, v2.0
- VMware Log Insight – Veeam Content Pack
- Starwind VTL for Cloud AWS
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