Veeamは9.5 update2でCisco HyperFlexとのストレージスナップショット連携に対応しました。これによるVeeamのバックアップやレプリケーションの際にHyperFlexのスナップショットを使用してデータ取得が行えます。この効果の最も大きい点はVMwareスナップショットの保持時間を最小にできることです。これによりVMのスナップショット削除時かかる負荷を最小限にできます(詳細はこちら)。
このための主な要件は以下になっております。
- VMがCisco HyperFlex 2.0以降のクラスタに存在すること(2.0より前のバージョンはサポートされていません)
- Veeam Backup&Replication 9.5 Update 2以降がバックアップサーバにインストールされていること
- Veeam Backup&Replication Enterprise Plus Editionのライセンスが、バックアップサーバーにインストールされていること
- Cisco HyperFlexストレージシステムがVeeamストレージインフラストラクチャに追加され、vCenterサーバーが仮想インフラストラクチャに追加されていること
- バックアップインフラストラクチャでバックアッププロキシが正しく構成されていること
- 初回のジョブが開始される際に、VMにVMwareのスナップショットが作成されていないこと
※Cisco HyperFlexとのストレージスナップショット連携はバックアップとレプリケーションでのみサポートされます。ストレージスナップショットからVMやファイルのリストアを行うことができるVeeam Explorer for Storage SnapshotやストレージスナップショットからVMのテストなどを行えるOnDemand Sandbox from Storage Snapshots、Veeamのバックアップやレプリケーションを行わずストレージスナップショットのみを残すSnapshot only jobなどのその他のストレージ連携機能はサポートされていません。
基本的にはその他のストレージ連携と同様にストレージをVeeamに登録するだけで利用できます。
この際のIPアドレスはCluster Management IP Addressです。
また、このときにCisco HyperFlexからデータを取得するための転送モードは以下の4種類から自動選択されます。
- ESXiホスト上のHyperFlexのソフトウェアモジュールであるIO Visorからのデータ取得。HyperFlexのNFSデータストアからデータ取得を行うために最適なESXiホストが提示され、高速かつクラスタ全体で負荷分散したバックアップが可能です。
- HyperFlexコントローラ クラスタIPからのデータ取得。全てのトラフィックがHyperFlexコントローラクラスタIPを保持する単一のHXコントローラによって処理されます。
- 仮想マシンのVeeamプロキシVMを介したHot-Addでのデータ取得
- VMwareの管理ネットワークを介したNBDでのデータ取得
速度的にはIO Visor > クラスタIP > NBD(10 Gbps) > HotAdd > NBD(1 Gbps)となっており、運用環境への負荷分散も可能なIO Visorでの処理を推奨しています。
3、4はストレージ連携していないバックアップでも使われる通常のモードですが、この場合にもHyperFlexのスナップショットからバックアップが行われます。
1,2はどちらも、バックエンドのNFSデータネットワークにアクセスする必要あります。2であればHyperFlexコントローラクラスタIPと通信し、Cisco APIとの通信も含め処理されるため、基本的には追加の構成等は必要ありません。
しかし、1の最も高速で最適であり推奨されるIO Visorからのデータ取得では各ESXiホスト内で動作するモジュールにアクセスする必要があり、このために特定のファイアウォールを各ESXiホストで開く必要が有ります。
そのポートを簡単に開く方法についてこちらでご紹介しております。
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