プロキシはVMのデータを取得し、重複排除・圧縮を行う、データ処理の核となるコンポーネントであり、Veeamからバックアップやレプリケーションを行う際に、このコンポーネントがCPU、メモリといったリソースを最も多く消費します。Veeamではデフォルトで管理サーバとなるVeeamインストールマシンがプロキシの役割も担い、処理を行いますが、仮想環境の規模が大きくなってくると、Veeamインストールマシンのみでは対処が難しく、環境規模に合わせて構成する必要があります。
この時、プロキシサーバを後から追加することも可能ですので、ボトルネックを確認しながら順次追加していくことも可能ですが、ある程度のサイジングは必要になるかと思います。プロキシのサイジングに大きく関係するパラメータはどれだけのタスクを同時実行するかという点です。プロキシは一つの仮想ディスクに対するデータ処理を1タスクとして、これを並列で処理でき、並列実行する、最大同時タスク数により、消費するリソース量が変わってきます。したがってこの並列タスク数をどの程度にすればよいかを決定できればある程度のサイジングが可能ですが、そもそもどの程度の並列タスク数にすれば良いのか、といった点がネックになってくるかと思います。
この並列タスク数は主に以下の3種類のパラメータから概算が可能です。
- バックアップウィンドウ
- バックアップ対象となるVMのデータ量
- データの処理速度
タスクは並列に実行することで、理論的には2倍のデータ処理速度を実現できます。そのため、バックアップウィンドウでバックアップ対象のVMデータ量を割り、必要となる合計のデータ処理速度を算出し、実際のデータ処理速度で割ることで必要となる並列タスク数を算出できます。
- 合計のデータ処理速度=バックアップ対象となるVMのデータ量/バックアップウィンドウ
- 並列タスク数=合計のデータ処理速度/データ処理速度
単純な概算はこのような計算で可能ですが、それぞれのパラメータの決定にはいくつか、考慮すべき点があります。そのような点まで含くめた具体的な概算方法についてはこちらをご参照ください。
関連トピックス
- リポジトリの同時実行タスク数のカウントについて[Veeam Backup & Replication]
- バックアップ環境の構築について【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
- バックアップ元データストアのI/O負荷をコントロール【Veeam B&R Ver8新機能予告⑩】
- Veeamサイジングまとめ[Veeam Backup & Replication]
- Instant VM Recoveryの紹介
- Veeam Backup & Replication システム要件の考え方
- Veeamパフォーマンスチューニング トップ10:2021版
- VeeamBackup4.0の高速化について【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
- Veeam Backup & Replication v11新機能予定:Linuxプロキシサーバの機能改善
- Veeamのバックアップとリストアのパフォーマンスを向上されるためのヒント