10月16、17、18日にVeeamのR&D部隊のいるチェコ、プラハにてVeeam Vanguard(開発元が認定する外部技術員)向けの情報展開があり、クライムも参加してきました。ここで展開される情報には、開発元の発信待ちのマル秘情報もあるため、現在全てを本ブログでレポートさせていただくことはできませんが、可能なかぎり展開させていただきます。
量があるため、複数回に分けてお届けいたします。今回はVeeam Agent for Microsoft Windows/Linuxで実装予定の新機能に関してです。その他の新機能に関して、①はこちら、②はこちら、③はこちら
Veeam Agent for Microsoft Windows
Veeam Backup & Replication 9.5 u4のリリースに合わせてVeeam Agent for Microsoft Windows(VAW)もアップデートがリリースされる予定です。これで実装予定の新機能や改善に関して紹介させていただきます。
プラットフォームの対応
以下のプラットフォームに対応予定です。
- Windows 10 October Update
- Windows Server 2019
- 最新のMicrosoftアプリケーション:ExchangeとSharePoint 2019
複数ジョブの構成
エディションにより対応は異なりますが、VAWのコンソールから複数ジョブを構成できるようになります。
- ワークステーションエディション:ローカルジョブは一つのみ、Cloud Connectへのバックアップは複数構成可能
- サーバエディション:無制限
USBのバックアップ
Microsoft VSSが利用可能なものに限られますが、USB接続された外付けのドライブ(HDDやSSD)やSDカード内のデータをバックアップ可能になります。
ネットワーク帯域制限
帯域の制限に加え、有線接続、VPN接続、WiFi接続時に制限するような設定が可能になります。
ファイルレベルリストア(改善)
Veeam BackupリポジトリやCloud Connectリポジトリに保存したバックアップからのリストア時に、ローカル管理者であることが不要になり、オプションでユーザが昇格してのアクセスも行えます。この制御はVBRまたはVACを介して実施できるようになる予定です。
MSアクションセンターでの通知
新しいバージョンやリカバリメディアが作成されていないこと、リカバリメディアの再作成が必要なことをMSのアクションセンターで通知するようになります。
細かい改善
- バックアップファイルに対するコンパクトとヘルスチェック
- 削除されたエージェントの保持設定
- リカバリメディアからのセーフモードでのブート
- リカバリメディアの作成に使用されたコンポーネントの正確なバージョン表示
- リカバリメディアを作成するためのコマンドの追加
Veeam Agent for Linux
Linuxマシン用のエージェントバックアップであるVeeam Agent for Linux(VAL)もVeeam Backup & Replication 9.5 u4のリリースに合わせてアップデートがリリースされる予定です。これで実装予定の新機能や改善に関して紹介させていただきます。
スナップショットレスモード
Veeam Agent for Linuxでは独自に実装したボリュームのスナップショット機能によりシンプルボリュームまたはLVM2ボリュームを静止し、整合性のあるバックアップを行っています。このため、スナップショットをとることのできないファイルシステムに関してはサポートしていません。このようなファイルシステム上のファイルのバックアップに対応するために実装される予定のモードとなっています。
- ファイルレベルのジョブのみ
- NFSやSMB、ZFSなどの各種ファイルシステムに対応
-
静止処理がないため静止前後スクリプトは設定しても無視
- ジョブ前後のスクリプトは利用可能
- スナップショットを使用しないためveeamsnapモジュールをインストールしなくても利用可能
- Veeam Backup & Replicationのコンソールからも設定可能
ボリュームバックアップの改善
ボリュームのイメージベースバックアップに関して以下のような対応や改善が行われます。
- BTRFS対応(カーネルのバージョン3.16以上のディストリビューションをサポート、btrfsprogs v4.1以上を推奨)
- ブロックデバイス全体かパーティションのみを明示的に選択したか区別可能に
- マウントポイントでの選択が可能に
その他
上記以外にも以下のような改善や新機能を予定しています。
-
Oracle対応処理
- ログの切り捨てを含むOracleを意識しての静止処理に対応
- Veeam Backup & Replicationからの管理ではトランザクションログのバックアップも対応
- 定期的なActive Full作成
- 指定日数バックアップされていない場合の削除ポリシー(Veeamリポジトリの場合のみ)
- リカバリメディアへのmdadmユーティリティの追加
- リカバリメディアのカーネルバージョンを4.18.11
- veeamsnapカーネルモジュールに関するログを分離
エージェント統合管理改善
Veeam Agent for Microsoft Windws/LinuxはVeeam Backup & Replicationから統合管理可能です。この統合管理に関連する新機能などに関してご紹介いたします。
※VAW、VALで紹介している内容と一部重複しています。
プラットフォーム対応
VAW、VALで対応追加に加え、GUIのない、Server CoreでもVBRからの統合管理であれば対応する予定です。
-
プラットフォーム
- Windows Server Core(バックアップサーバによる管理モードでのジョブのみ)
- Windows Server 2019
- Windows 10 October Update
-
アプリケーション(VAW)
- MS Exchange DAG(IPless DAGを含む)
- 最新のMicrosoftアプリケーション:ExchangeとSharePoint 2019
-
アプリケーション(VAL)
- Oracle
プロテクショングループ
バックアップ対象のマシンをまとめた、プロテクショングループに関する改善です。Veeam AgentからVBRに名前解決できなくと管理できるようになり、より便利に、また、操作ミスで再起動をVBRから実施しないようにRebootオプションを非表示にするなどの改善が行われています。
- リスキャン動作の改善
- 個別のコンピュータに関するプロテクショングループでの認証情報テスト
- 個別のE-mailレポート
- 個別のネットワーク制限オプション
- FLR機能の制御
- タスクベースのビュー
- Installer serviceのアンインストール
- VBRの名前解決不要に
- 再起動オプションの非表示
バックアップジョブ
VBRから統合管理した場合に、MS Exchange Database Availability Groupもサポートするようになります。
- ワイルドカードとシステム環境変数をバックアップソースの指定に利用可能に
- コンパクトとヘルスチェック
-
エージェント管理
- 削除されたエージェントの保持設定
- 個別のE-mailレポート
- バックアップサーバからの設定取得
- サーバエディションのエージェントジョブによる複数管理
-
バックアップサーバ管理
- MS Exchange DAGサポート(IPless DAG含む)
- 全てエージェントタスクを単一プロセスで管理
- ジョブに対するセカンダリターゲットオプション
ボリュームリストア機能
VBRからオリジナルのマシンに対して以下のようなボリュームのリストアを実施できるようになります。
- システムボリュームではない、シンプルボリューム
- クラスタディスク
Enterprise Manager連携
- リストアオペレータのスコープ指定にVBRに登録されているマシンを指定可能に
その他
- PowerShellのサポートとRESTful API改善
- 仮想環境のバックアップと同様に、アーカイブティア、セキュアリストア、vbkへのエクスポートをサポート
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