前回の記事では、Veeam Backup & Replicationのレプリケーション機能により複製されたVM(以下、レプリカVM)を起動するオペレーション、フェイルオーバの動作についてご紹介しました。運用サイトで障害が発生した場合は、フェイルオーバを実施することで、DRサイトのレプリカVMを起動し、事業を継続することが可能です。
その後運用サイトが復旧した際は、フェイルバックによる運用サイト側への戻し処理を行うこともできます。用途に合わせて下記3つのいずれかのフェイルバックを実行します。
1元のVMに対してのフェイルバック(Failback to the original VM)
2VMマッピングによるフェイルバック(Failback to the original VM restored in a different location)
3新しいVMとしてフェイルバック(Failback to the specified location)
今回の記事ではそれぞれのフェイルバック動作の詳細についてご紹介いたします。
1元のVMに対してのフェイルバック(Failback to the original VM)
障害発生前の元の仮想環境構成が復旧できている場合は、「Failback to the original VM」より元のVMに対してフェイルバックを行います。このフェイルバック時は、レプリカVMに対して更新された差分データのみが転送されます。
2VMマッピングによるフェイルバック(Failback to the original VM restored in a different location)
元の仮想環境構成は復旧できないものの、元のVMのバックアップデータを取得している場合は、「Failback to the original VM restored in a different location」によるフェイルバックを実施します。あらかじめバックアップデータから運用サイト側の仮想環境にVMをリストアしておき、このリストアしたVMをフェイルバック先としてマッピングします。これにより1と同様に、レプリカVMに対して更新された差分データのみの転送による切り戻しが行えます。
3新しいVMとしてフェイルバック(Failback to the specified location)
元の仮想環境構成が復旧できず、VMデータも存在しない場合は、「Failback to the specified location」より運用サイトに構成した新仮想環境に完全に新しいVMとしてフェイルバックを行います。フェイルバック先のホストやリソースプール、データストア、接続するネットワークなども設定します。
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