VeeamではインスタントVMリカバリという機能でバックアップからデータを転送することなく、VMを復旧可能です。これによりファイルサーバ等の数十TBあるような仮想マシンであっても、数分で起動して復旧できます。
このインスタントVMリカバリ機能が次期バージョン10でより便利になる予定です。
- マルチVMインスタントリストア
- インスタントディスクリカバリ
- VMware環境へのインスタントVMリカバリ対応強化
今回はこれらのインスタントVMリカバリの改善をご紹介します。
マルチVMインスタントリストア
Veeam Backup & Replication 9.5u4までは 複数の仮想マシンをインスタントVMリカバリする際に、一台ずつウィザードで指定する必要がありましたが、v10からは一つのウィザードで複数のVMを指定してインスタントVMリカバリを実行可能になります。これにより、急いで復旧する際の手間を減らすことができます。
ただ、インスタントVMリカバリはバックアップデータ内の仮想ディスクを透過的に参照可能にする仕組み(変更はバックアップデータに書き込まれることはなく、リポジトリで指定されたWindows または指定したデータストア上に書き込まれます)です。そのため、大量のVMをインスタントVMリカバリで起動し利用するには、それなりのパフォーマンスを持つストレージにバックアップを保存しておく必要が有ります。
インスタントディスクリカバリ
インスタントVMリカバリではあくまでもVMとしてリカバリすることしかできませんでしたが、v10で新たに追加されるインスタントディスクリカバリではバックアップ内の特定の仮想ディスクを指定した仮想マシンのデバイスノードにマウントさせることができます。
これにより、一部の仮想ディスクのみを即座復旧する、robocopy /SECFIX でアクセス権の設定のみをリストアするといった使い方やより簡単に素早く実施可能になります。
VMware環境へのインスタントVMリカバリ対応強化
今まで、VMware vSphere環境へのインスタンスVMリカバリではVMwareの仮想マシンのバックアップのみをリストア出来ました。しかし、v10からは、Hyper-VのバックアップやVeeam Agentで取得した、物理マシンやクラウドインスタンスのバックアップなどからもVMware環境にインスタントVMリカバリが可能になります。
この場合、VeeamはvSphere環境に合わせたP2V、V2V変換を自動で実施しますので、たとえ元が物理マシンであっても安心してリストア可能です。
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