新バージョンとなるVeeam Backup & Replication(VBR) v12では、多くの新機能と仕様変更がされました。それらについてパート①からパート④に分けてご紹介します。
本パートでは、下記内容について紹介しております。
・ファイル レベルリストア – 本番環境とのファイル状態の比較
・ファイルレベルリストア – 権限のみのリストア
・ネットワークスロットリング設定
・SureBackup – ファイアウォールの無効化
・スケールアウトリポジトリ – ポリシーの適用
本ページでは、パート③となっております。
他のパートにつきましては、以下のリンクからご覧ください。
目次
ファイル レベルリストア – 本番環境とのファイル状態の比較
Veeam Explorer for Active Directoryでは利用可能だった「Compare with Production」機能がWindowsのファイルレベルリストアで利用可能になりました。
この機能では、リストアポイント内のファイルと本番環境内の現時点のファイルの状態を比較することが可能です。
コンソール上部の「Compare with Production」をクリックすると、本番環境と比較した後のファイルとディレクトリの状態が表示されます。
ただし、本番環境にはあって、選択したリストアポイント内にないファイルやディレクトリに関しては、状態の表示はされません、
さらには、ファイル属性の比較も可能です。
ただし、この機能は、Windowsでのみ利用可能でLinuxでは利用できません。
ファイルレベルリストア – 権限のみのリストア
Windowsのファイルレベルリストアのもう1つの新機能が「Permission Only(権限のみのリストア)」です。
これは、誤ってディレクトリの継承を有効にしてしまった場合に有効です。
この機能は、単一のファイルやディレクトリに対して利用可能です。ジョブが完了するとサマリが表示されます。
ファイルがリストア先で既に削除されている場合は、以下のスクリーンショットのように権限を復元できなかったことを示すエラーが発生します。
また、「Permission Only」を利用するには、ネットワーク接続が確立している必要があります。
なお、VIXはここでは機能しません。
ネットワークスロットリング設定
ネットワークスロットリング設定は、バックアッププロキシやリポジトリといったコンポーネント間の帯域制限を行うことができます。
V12からは、以下のような新機能が追加されました。
- 「All public IP addresses」
パブリックネットワークへのトラフィックの抑制が可能となりました。 - 「Never throttle any restore activity」
リストア時はトラフィックを抑制しないように設定できるようになりました。 - 「Unthrottle to:」
トラフィックを調整する時間帯と調整しない時間帯の設定に加え、調整制限を増減する時間帯を設定可能になりました。
SureBackup – ファイアウォールの無効化
SureBackupは少なくともpingテストを実施することが推奨ですが、Windowsファイアウォールによってテスト対象のVMに接続できない場合があります。
v12では、「Automatically disable Windows Firewall」を有効化することによって、SureBackup中はテスト対象のVMに接続できるようファイアウォールを無効にするよう設定が追加されました。
スケールアウトリポジトリ – ポリシーの適用
バックアップの保存先がスケールアウトリポジトリの場合、オブジェクトはエクステント全体に分散されます。そのため、いくつかのエクステントがいっぱいになることがあります。その際、VBRはバックアップを失敗させるのではなく、配置ポリシーに反して空き容量のあるエクステントにファイルを配置しようとします。
そうするとXFS/REFS Fast Cloneでは、これは好ましくない状況につながる可能性があります。
v12では、「Strict placement policy enforcement」を有効化することで配置ポリシーに反している場合は、バックアップを作成せずジョブを失敗で終了させます。
v12になって様々な新機能/改善点が追加され、さらに使いやすくなったVeeam。
ご不明点などございましたら是非こちらからクライムまでお気軽にお問い合わせください。
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