クラウドオブジェクトストレージ「Wasabi hot cloud storage(以下Wasabi)」はWasabi Technologies社から提供されているAmazon S3互換のクラウドオブジェクトストレージです。使用料金が非常に安価であり、バックアップ保存先としても適したストレージとなっています。
※弊社クライム経由でWasabiを導入いただくことも可能です。
例えば、弊社クライムで取り扱っているバックアップソフト「Veeam」の保存先としても使用することができ、データを保存する際に不変性を付与することも可能です。不変性を付与したデータは、外部からの上書きや削除といった操作を受け付けなくなるため、ランサムウェア対策や、誤操作による削除に対して備えることができます。
今回は、Veeamを使用してWasabi上へ不変性を備えたバックアップを取得する際の、Veeam、Wasabi双方の設定方法についてご紹介いたします。
必要な設定
不変性を付与したバックアップを行う際に必要な設定は、下の2つです。
- Wasabi:バケットを作成する際にオブジェクトロック機能を有効にする
- Veeam:保存先として登録する際に不変性機能を有効にし、不変性の期間を設定する
それぞれの設定方法について簡単にご紹介します。
★詳細な設定手順はこちらでご紹介しています。
Wasabi:バケットを作成する際にオブジェクトロック機能を有効にする
Wasabi側では、備え付けの機能であるオブジェクトロック機能を有効にすることで、保存されたオブジェクトが外部からの書き換えや削除を受け付けないようにすることが可能です。
オブジェクトロック機能はバケット作成時に有効にすることができます。
Veeam:保存先として登録する際に不変性機能を有効にし、不変性の期間を設定する
VeeamからWasabiを保存先として登録する際に、不変性を付与する期間を設定します。
あとは、VeeamからWasabiを保存先として使用するバックアップジョブを作成/実行するだけで、指定した期間はデータの上書きや削除が行われなくなります。
不変性の確認
では実際に、取得したバックアップデータに不変性が付与されているかを確認していきます。
まずは、Wasabi側から確認します。
WasabiのWebコンソールへとアクセスし、保存されているオブジェクトを選択します。オブジェクトの詳細から、オブジェクトロック機能が有効になっていることが確認でき、ロックされる期間としてはVeeamで設定した値となっていることが分かります。
また、このオブジェクトを削除しようとすると、オブジェクトロック機能によって削除ができないことも確認できます。
次は、Veeam側から確認します。
Veeamからバックアップを削除しようとすると、エラーが発生し削除出来ないことがわかります。エラー内容としては、「immutable(不変性)によってデータが保護されている」といったメッセージが出力されていることが確認でき、オブジェクトロック機能が正常に動作していることが分かります。
このように、Wasabiのオブジェクトロック機能とVeeamが連携することで、バックアップデータに不変性を付与することが出来、ランサムウェア対策や、誤操作による削除に対して備えることができるため、バックアップの信頼性がより向上します。また、オブジェクトロック機能の設定自体、GUIから簡単に実施出来るのも大きな特長となっています。
VeeamやWasabiのご購入や、不変性に関するご不明点などございましたら、クライムまでお気軽にお問い合わせください。
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