Veeamは2024年 Q3にProxmox Virtual Environment (VE) のサポートを予定しており、以下の機能を提供予定です。今回はこのProxmox VEサポートに関してベータ版を使用した開発元コミュニティのブログが公開されていましたので要約して紹介していきます。
- 柔軟なストレージオプション
- 不変のバックアップ
- VM全体からファイル、アイテム単位まで豊富なリカバリオプション
- クロスプラットフォームリカバリ(例:Proxmox <> VMware)
- CBT、HotAddバックアップ、Bitlooker による Veeam の「標準」パフォーマンス
アーキテクチャ
基本的なアーキテクチャはVeeam Backup for Nutanix AHVやOracle Linux Virtualization Manager and Red Hat Virtualization(Ovirt KVM)と同様に、データ処理を行うワーカーVM(LinuxベースのアプライアンスVM)をProxmox VE ホスト上に配置し、それがデータ取得、バックアップリポジトリに転送します。
ただ、現行バージョンのNutanix AHVやOvirt KVMでは、各環境での管理タスクを実行するために、バックアップアプラインスを追加、負荷分散時にはワーカーを追加するという仕組みですが、Proxmox VE にはそれを必要としていないようですので、管理タスクはVeeam Backup & Replicationから実施し、ワーカーはデータ処理のみを実施するなど、アーキテクチャが異なる部分もあるように予想できます。
HotAdd(バーチャルアプライアンス)モードもサポートするようであり、この場合、各Proxmox VEホストにワーカーVMを配置する必要があります。
プラグイン
Proxmox VEの環境をVeeam Backup & Replicationに登録し、上記のワーカーVMを配置、ジョブ等を構成するためにはVeeam Backupサーバへプラグインをインストールする必要があります。プラグインはウィザードを進めるだけですので特筆する点はありません。
Proxmox VEホストの追加
他の仮想環境と同様にサーバとして追加できます。
これもウィザードを進めて、DNS名/IPアドレスを指定、認証情報を指定していくだけですが、vSpehre環境等とは異なり、ソースとなるオリジナルのVMストレージでスナップショットをサポートしていない場合のために、別途ストレージを指定できるようです。
ワーカーの追加
Proxmox VEホストを追加後、各ホストにワーカーVMを配置することを推奨するダイアログが表示されそこからワーカーVMを追加するウィザードを起動できます。
ウィザードでその配置先ストレージや同時実行タスク数、vCPU、RAMリソース量、ネットワークを設定し、完了すれば自動でワーカーVMがProxmox VEホスト上にデプロイされます。
vSphere環境からのリストア
Proxmox VEに対して異種プラットフォームのリストアがサポートされているため、既にバックアップしているVMをリストアしてProxmox VEで稼働させることができます。
他プラットフォームと同様にウィザードでリストア先やネットワークの設定を行うことができます。独特なものとしてはリストア時の仮想ディスクの形式(RAW、QCOW2、VMDK) を選択できます。
リリース時には変わっているかもしれませんが、リストアされたVMのBIOSがSeaBIOSに設定されていたため、手動でUEFIに変更が必要であったとのことです。
それ以外は特に変更せずとも起動し問題なく利用できたようです。
バックアップジョブ
バックアップジョブの作成はその他のプラットフォームとほぼ変わりありません。Advancedから設定できる項目などに違いはあるかもしれませんが、対象VMまたはリソースプールなどコンテナを指定して追加、
バックアップ保存先となりリポジトリや保持ポリシーを設定、
スケジュールを設定していけば
ジョブは作成でき、実行結果も同様に確認できます。
リストアオプション
Proxmoxバックアップからリストアする際に使用できるオプションは他のプラットフォームとあまり変わらず、リリース時には下記オプションが使用できます。
- Hyper-V、Nutanix、VMwareへのインスタントリカバリ
- ゲストファイルのリストア
- Amazon EC2、Microsoft Azure、Google CE へのリストア
- VM全体をNutanix AHVとProxmoxにリストア
- ディスクのエクスポートと公開
また、バックアップ時のゲストOS上のアプリケーションに対応した静止処理(Application aware image processing)には対応していませんが、バックアップに含まれるアプリケーションアイテムをリストアすることは可能です。
まとめ
このようにVMware vSphereからも簡単にリストアでき、従来の手順とほぼ同様にProxmox VEもVeeamでバックアップできるようになる予定です。ご興味ありましたら是非、クライムまでお問い合わせください。
https://www.climb.co.jp/soft/veeam/
※このブログ記事のすべての情報とスクリーンショットは、早期アクセスリリースに基づいています。最終リリースまで、変更が生じる可能性があります。
参照元コミュニティブログ
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