Veeam Backup & Replication(以下 Veeam) の斬新な機能、特長を紹介します。
■アーキテクチャ
(1)1つのコンソールで VMware/Hyper-V 2つのハイパーバイザのバックアップ/レプリケーションが可能
Veeam はバックアップとレプリケーションの統合ソリューションです。1種類のライセンスでバックアップとレプリケーション両方の機能が使用可能です。
また、VMware と Hyper-V という異なるハイパーバイザも1つのコンソールでまとめて処理が可能になっております。
(2)大規模、中小規模といった仮想環境の規模に応じたバックアップ環境の構築
Veeam は大規模、中小規模の仮想環境のバックアップ、レプリケーションに対応しています。Version 6よりプロキシサーバ(ジョブの処理を行うサーバ)を構築することでバックアップ、レプリケーション処理の負荷分散が可能になりました。
例)
Veeam サーバとプロキシサーバ(A)を構築
Job(1) を Veeam サーバのリソースで実行
Job(2) をプロキシサーバ(A)のリソースで実行
※他社のバックアップソフトではジョブの同時実行数に制限がある場合があります。
(3)ネットワークの帯域設定
Veeam を使用して遠隔地に WAN 経由で仮想マシンをバックアップ、レプリケーション処理を行う際にネットワークの帯域幅を設定することが可能です。
■バックアップ
(1)ネットワーク環境に応じた処理モードの選択
Veeam ではネットワーク環境応じて SAN、Virtual Appliance、Network モードで処理を行います。
※他社のバックアップソフトによっては LAN 環境のみサポートの場合があります。
参考: Veeam Backup & Replication Version 6のバックアップ、レプリケーション時の処理モード X 3
(2)トランザクションの一貫性を保ったバックアップ、レプリケーション
Veeam ではバックアップ、レプリケーション時に Microsoft の VSS(Volume Shadow Copy Service) を使用して仮想マシン内で MS Exchange、Active Directory、SQL Server などが稼働していても整合性のある処理が可能です。
※他社のバックアップソフトによっては Exchange しかサポートしていない場合があります。
(3)増分モード、または差分モードでのバックアップ
Veeam は処理時に増分バックアップモード、差分バックアップモードの選択が可能です。目的によって使い分けることができます。
参考: 「Reversed Incremental【差分バックアップ】と「(Forword)Incremental【増分バックアップ】」の違いと選択基準
(4)バックアップ時に仮想マシンのスワップファイルの除外
Veeam はバックアップ対象の仮想マシンのスワップファイルを含みません。その分バックアップデータのサイズは小さくなります。
(5)オプション “Import backup”
Veeam の “Import backup” 機能を利用することで Veeam サーバ(A)に障害発生時にVeeamサーバ(B)を構築することで Veeam サーバ(A)で作成したフルバックアップデータから仮想マシンのリストアが可能です。
(6)デフォルトで備えている重複排除機能
重複排除とは、同じデータのバックアップを省略し、ディスクスペースの削減と処理時間を短縮する機能です。Veeam ではデフォルトで重複排除機能を備えており、重複排除後に圧縮をすることでバックアップデータの容量を格段に小さくできます。
■レプリケーション
(1)“Failover” と “Failback” 機能
・Failover(レプリケーション機能で作成したレプリカ仮想マシンの起動)
電源 ON 時にはリストアポイントを選択して今まで Replication Job を実行した時点から任意の時点での起動が可能です。
・Failback(レプリカ仮想マシンのデータをレプリケーション元に切り戻し)
本番環境が復旧してレプリケーション元の仮想マシンが使用可能になった際には Failback 機能を利用することでレプリカ仮想マシンのデータをレプリケーション元の仮想マシンに反映します。
参考: Restore -Failback機能
(2)ネットワークのトラフィックの最適化
Veeam では仮想マシンのレプリケーションを行う際にはデータをレプリケーション先のホストに送る前に多重排除と圧縮が行われます。
(3)Veeam は Replication Job のスループットを高めるために複数の TCP 接続を使用します。
(4)オプション “Replica seeding” 機能
初回のフルレプリケーションはデータの転送量が多いですが、この機能を使用することで初回のレプリケーションは vSphere 間のネットワークを使用せず、2回目以降の差分のレプリケーションのみ vSphere 間のネットワークを使用します。
参考: 「Low connection bandwidth(WAN環境のネットワークの負荷軽減機能)」の紹介
(5)クラスタ単位での仮想マシンのレプリケーション
クラスタ環境を構成、レプリケーション対象の仮想マシンが運用時に vMotion 機能などで所属ホストが切り替わる際にも Veeam のジョブ作成時にクラスタ内の仮想マシンを処理対象とすることで処理対象の仮想マシンの所属ホストが変更されても Veeam のジョブを継続して使用可能です。
■リストア
(1)リストア処理
他社のバックアップソフトによっては仮想マシンのリストアを行うのに VMware のStorage vMotion の機能が必須な場合があります。Veeam は Storage vMotion が使えない環境でも仮想マシンのリストアが可能です。
(2 )バックアップデータから仮想マシンの構成ファイル(VMDK、VMX など)のリストア
Veeam はバックアップしたデータから仮想マシンの構成ファイル(VMDK、VMX など)のリストアも可能です。
■管理
(1)ジョブの自動停止機能
Veeam は稼働しているジョブをスケジュール機能で指定した時間に強制停止が可能です。
参考: Veeam Backup & Replication Ver 6のスケジュール機能紹介
参考: Version 6.5で強化されたスケジュール機能
(2)ユーザ単位での権限の寄与
Veeam はユーザ単位で Veeam を操作する権限の設定が可能です。
・管理者権限
・Backup処理のみ実行可能
・リストア処理のみ実行可能
・画面の確認のみ
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