Veeam B&R Ver7から、バックアップコピージョブが追加されました。これにより取得したバックアップを予備のストレージやDRサイトに効率的に転送することができるようになりました。
このバックアップコピージョブでは特定の世代を残しておくために、GFS(Grand father Father Son)方式でバックアップが可能です。これは増分のバックアップファイルをSon 、元になるフルバックアップをFather 、長期保存用のフルバックアップをGrand fatherとして保存する方式です。
たとえば、毎日取得しているバックアップを以下のようなバックアップコピージョブで転送したとします。
Restore point to keep: フルバックアップファイルと増分ファイルからなる連続した世代数
Keep the following restore point…: 保持する特定の世代の数。
Weekly backup: 特定の曜日、時間の世代を含むフルバックアップファイルの数
Monthly backup: 月の特定の日の世代を含むフルバックアップファイルの数
Quarterly backup: 四半期ごとの特定の日の世代を含むフルバックアップファイルの数
Yearly backup: 1年ごと(年始or年末)の特定の日の世代を含むフルバックアップファイルの数
この場合、リストアポイントは7世代であるため、フルバックアップファイル(Father)1個、増分ファイル(Son)6個で保存し、Weeklyの4世代をGrand Fatherのフルバックアップファイルが保持します。そのため、最終的にはフルバックアップファイルが5個、増分ファイルが6個、コピー先に保存されます。(転送の際に増分データのみを転送し、コピー先でフルバックアップファイルを作成します。)
実際にコピー先に作成されるファイルの変化は以下のようになります。10/1から仮想マシンのバックアップとバックアップコピージョブを開始し、初回にフルバックアップファイルが保存されます。その後、増分のファイルが作成されていき(10/2~10/7)、リストアポイント数分の世代が揃った後には、その世代数のみ保持するようフルバックアップファイルは変換されます(10/8~)。
Weeklyの設定が行われていない場合は10/6の世代も、それまでと同様にフルバックアップに変換された後、次の日には削除されますが、今回はWeeklyを4個で設定しているのでGrand Fatherとして保存されます(10/13)。
MonthlyやQuarterly、Yearlyを設定した場合にも、基本的には同様な動作になります。
このように、GFSによる長期的なバックアップも簡単に設定することができるようになりました。
関連トピックス
- [関連記事まとめ]バックアップコピージョブ【Veeam Backup & Replication】
- バックアップモードによる保持するバックアップファイルの違い【Veeam Backup & Replication】
- CloudBerryのブロックレベルバックアップでのバージョン(世代)保持の考え方
- 世代を管理するバックアップチェーン [Veeam Backup & Replication]
- バックアップジョブの長期保存ポリシー(GFS)[Veeam Backup & Replication]
- 新バックアップモード:永久増分バックアップ【Veeam B&R Ver8新機能予告⑫】
- Backup Mode「Reversed Incremental」で作成されるファイルについて
- 任意のタイミングで個別のVMを増分バックアップ【Veeam B&R Ver8新機能予告⑧】
- Backup Mode「Reversed Incremental」の説明【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】
- VBK、VRB、VIBファイルの違い【VMWare専用 バックアップ & レプリケーションソフト Veeam】