VMwareの仮想マシンは、仮想化されたオペレーティングシステムについての必要な情報をすべて含む、ファイルの集まりです。これらのファイルは主要な設定ファイル(.VMX)を含んでいます。そのファイルは仮想マシンの設定を保持しており、仮想マシンのスナップショット(.VMSD)とその他についての情報を保存するための、中心となるファイルです。仮想マシンのデータには、VMwareの仮想ディスクフォーマットである.VMDKファイルも含みます。各VMware仮想マシンは、複数の仮想ディスクを持つことができ、それは複数の.VMDKファイルを含むことができるという意味です。
災害時の仮想ハードディスクの復旧
二つ以上のハードディスクを持ったVMware仮想マシンを持っており、バックアップを取っているとします。何か障害が発生した場合を想像してみてください。この時、異なる場所に仮想マシンのバックアップから複数の仮想ディスクを復旧する必要があります。
バックアップソフトウェアはVMware vSphereハイパーバイザ(ESXi)に、複数の仮想ディスクを持つ仮想マシンのスナップショットを取るように要求するとき、ハイパーバイザはスナップショット取得時の仮想マシンのシステム状態を返します。同時にそれはすべての接続されている独立型でないディスクのスナップショットを取得したことを意味しています。スナップショット毎に、VMディスクそれぞれにデルタファイルがあり、これらすべてのファイルは同じ場所に保存されます。例えば、2つの仮想ハードディスクを持つ仮想マシンでは、
virtual_machine.vmdk: データストア①に保存されている1つ目の仮想ディスク
virtual_machine_1.vmdk: データストア②に保存されている2つ目の仮想ディスク
VMスナップショットを取得した後は、
virtual_machine-000001.vmdk: データストア①に保存(1つ目の仮想ディスクに関連)
virtual_machine-000002.vmdk: データストア①に保存(2つ目の仮想ディスクに関連)
名前に-ctkがついた.VMDKファイルが表示されることがあり、これは変更ブロック追跡がそのディスク上で有効であることを示しています。
次に、バックアップソフトウェアがバックアップファイルを作成します。(要するに、スナップショット内部のVMディスクやファイルへのアクセスを取得するためにサーバを使用して、VM構成に関するすべてのデータや情報をキャプチャし、スナップショットデータに重複排除や圧縮を適用します。そして、バックアップスナップショットを削除するためにESX(i)サーバにコマンドを送信します。)
リカバリはデータストアの観点から表に出ないプロセスとして動作するべきです。Veeamはリストアプロセスにおいて必要な粒度を提供します。そのため、Veeamのバックアップからリストアを行う際、いくつかのデータストアが、複数の仮想ディスクを含んでいるVMware仮想マシンの全体を保持する十分なスペースを持っていなくても心配する必要はありません。なぜなら、仮想マシンのそれぞれのハードディスクは、別々の場所にリストアすることが可能です。
リストアを実行するには?
Veeam Backupコンソールで、“Restore”をクリックして表示されるRestoreウィザードの手順に従ってください。仮想マシン、バックアップファイル、リストアしたいディスク、リストアポイントなどを選択する必要があります。設定手順(Restoring VM Hard Disks)をスクリーンショットでご説明します。
図②:Hard Disk Restoreウィザードを起動するために、リストから“VM hard disks”を選択
図④:最後にリストアしたい仮想ディスクと保存先のデータストアを選択
使用例
このリストア方法はいろいろな場面で役に立つかもしれません。例えば、.VMDKファイルの最大サイズは2TBに制限されていましたが、2013年にはVMware vSphere 5.5で62TBの仮想マシンディスクファイルを導入しました。一方で、ストレージは高価で、全ての組織で十分な容量を持ったストレージデバイスを買う余裕はありません。不十分なストレージでは、一つのデータストアに同じ仮想マシンに関連した全ての仮想ディスクを配置することができない状況を引き起こします。唯一の解決策は、データストア①に仮想ディスク①を、データストア②に仮想ディスク②を保存することです。もちろん、災害時にも異なるデータストアに、これらの.VMDKファイルをリストアする必要があります。
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