弊社では、VMware・Hyper-Vの仮想環境に特化したモニタリングツールであるVeeam ONEを販売・サポートしております。
本記事は、Veeam ONEの製品概要について簡単に説明した前回に引き続き、Veeam ONEのインストールとその後の画面までをご紹介いたします。
まず、簡単にVeeam ONEを利用するに当たってのソフトウェア要件を一覧にしてみました。
OS | 64bit版のWindows Server2008 SP2・Windows 7 SP1以降 |
データベース | SQL Server |
ランタイム・ソフトウェア | .NET Framework 4以降 Visual C++ 2010 SP1 IIS 7.0以降 Powershell v2.0 IE 9、Firefox 10、Chrome 28以降 |
必要とされるランタイムが多いと思われた方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
.NET Framework 4・Powershell v2.0・IIS 7.0・IE 9.0はVeeam ONE対応のOSにはすべて搭載されております。
そのため、実質的に必要なのはVisual C++とSQL Serverですが、このVisual C++とSQL Server(2008 R2 Express Edition)はVeeamのインストーラーに同梱されております。
先述の.NET Frameworkなどの必要なランタイム等に関してもインストール時に導入・有効化されますので、導入したばかりのWindows系のマシンでも事前に余計な手順を踏むことなくインストールが可能です。
肝心のVeeam ONE本体ですが、以下に記す複数のコンポーネントで構成されております。
- 仮想環境のモニタリングを行い、データを収集するVeeam ONE Server
- 収集されたデータを閲覧できるVeeam Monitor Client
- 収集するデータを設定できるBussiness Viewおよび収集されたデータをレポート形式で出力するReporterを含むVeeam ONE Web UI
- データを保管するSQL Server
この4つを1つのマシンにまとめてインストールすることも可能ですが、これらを別々のマシンに分散させてインストールすることも可能です。
例えば、Veeam ONE ServerとWeb UIをまとめて1台にインストール、SQL Serverが1台、そしてVeeam ONE Monitor Clientを複数のマシンにインストールすることも可能です。
さて、それではVeeam ONEのインストール方法をご紹介いたします。
今回はVMware ESXi上の仮想マシンとしてWindows Server 2012を用意いたしました。
前回にも触れましたとおり、2CPUと4GBのメモリがあればVeeam ONEは十分に動作いたしますので、設定で2CPUとメモリ4GB分を確保いたします。
インストーラーを立ち上げますと、以下のようなスプラッシュスクリーンが立ち上がります。
この画面からVeeam ONE Serverを選択します。
場合によってはVisual C++のインストールを求める画面が出てくるかもしれませんが、
そのままOKを押していただければ、Veeam ONEのインストーラーからインストールが可能です。
ライセンスへの同意を求める画面です。ここは上の「I accept the term in the license agreement」を選択します。
ライセンスファイルをVeeam ONEに導入します。Browseボタンからマシン内にあるライセンスファイルを選択してください。
なお、インストール後にライセンスファイルを導入することも可能です。
ここで、Typicalを選択すれば、Veeam ONEのコンポーネントがすべて1つのマシンにインストールされます。
Advancedを選択すれば、Veeam ONEのコンポーネントを分散して配置することができます。
今回は、展開したての仮想マシンでもありますし、Veeam ONEはインストールしてすぐにでも使用できる製品であるので、標準的なTypicalインストールを行います。
Veeam ONEのコンポーネントのインストール先を指定します。SQL Server Express Editionなど付属する周辺ソフトウェアがインストールできる容量があるかどうかもここでチェックが可能です。
インストールに必要なMicrosoftのコンポーネントがすでに導入・有効になっているかのチェック画面です。
テンプレートから展開したばかりの仮想マシンですので、ほとんどのMicrosoft コンポーネントが導入されていません。
Installボタンを押すと、Veeamのインストーラーから自動的にこれらのMicrosoft コンポーネントを導入・有効にできます。
インストール後はこのような結果が表示されます。
収集したデータの保存に使用するSQL Serverの設定です。ここでは同じマシンに新しくSQL Serverを導入するため、デフォルトのこの状態のまま進めます。
既存のデータベースを利用する場合は「Use existing instance…」を選択し、必要な情報を入力してください。
Veeam ReporterおよびVeeam Business Viewのポート番号を指定します。他のソフトとの衝突がないか確認してください。
監視する仮想環境を選択してください。後ほど設定することも可能ですので、今回は下のSkip virtual…を選択してスキップします。
インストールの準備ができました。Installを押すとインストールが始まります。
インストールには10分程度時間がかかりますが、途中で特段操作を要求されるようなことはありませんので、そのまま他の作業に移ることも可能です。
インストールが終了しました。この後ログオフを求められますので、問題が無ければ「はい」を押してログオフしてください。
これでVeeam ONEの導入は完了です。
それではWindowsにログインして、Veeam ONEを起動します。するとVeeam ONEのウィンドウにおおかぶさって以下のようなウィザードが表示されます。
これはメールやSNMPによる通知を行う際の設定になります。後ほど設定を行うことが可能ですので、ここではFinishまたはCancelを押してスキップします。
ウィザードが閉じると、いよいよVeeam ONEのメインウィンドウが表示されます。
とはいえ、この段階では監視対象の仮想環境をインストール時に設定していないため、当然ですが画面には統計が何も表示されていません。
次回はVeeam ONEで監視する環境を設定し、そのモニタリング結果の表示について紹介いたします。
Veeam ONEで仮想環境の理想的な監視を行う:その3 [Veeam ONEの設定・利用開始]
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