WAN越しの転送を最適化、ネットワーク障害にも強いアーキテクチャで安定したレプリケーションをZertoで実現


Zertoのレプリケーションの転送はベストエフォート方式です。
VMからの書き込みを運用サイトのVRAがキャプチャし転送、DRサイトのVRAがそれを取得し、データストアにジャーナルとして保存、数秒間隔のチェックポイントが作成されます。そのため、チェックポイントの間隔(RPO)は利用可能な帯域幅と時間当たりの書き込みデータ量に依存します(時間当たりの書き込みデータ量が1300 KB/s程度で約5 Mbpsの帯域を使用)。


このWAN越しの転送が行われる際に書き込みデータは一旦VRAのメモリ上で保持され圧縮されます。この転送されるデータの最適化により転送量を減らした転送が可能になっております。しかし、回線で障害が発生した場合や一時的に書き込み量が多く、メモリのバッファがあふれてしまった場合に転送が中断されることになります。このような場合にZertoでは自動的に処理モードをビットマップ同期というモードに切り替えます。このモードでは転送が中断された後、メモリ上のバッファを破棄し、どのデータブロックが仮想ディスク上で変更されたかという対応付けの情報のみをメモリ上で保持します。これにより、回線の復旧後には、自動的にレプリケーションが再開され、変更されたデータブロックのみが転送されますので、時間のかかる初期同期を再度実施する必要はありません。


また、メモリ上のデータが破棄されビットマップ同期が行えないような場合(メジャーリリースのアップグレード後やVRAが配置されていないホストに保護対象VMがvMotionされた後にVRAが配置されているホストに戻ってきた場合など)にも時間のかかる初期同期は実施されません。この場合にもデルタ同期というモードで処理され、保護対象VMの仮想ディスクをスキャン、チェックサムによる比較により異なるデータブロックのみが転送されます。スキャンが行われるためビットマップ同期よりも時間はかかりますが、データの転送量を変更ブロックのみに削減することが可能です。

このようにZertoでは通常のレプリケーション方式が利用できないような場合にもビットマップ同期とデルタ同期で転送量を最小限にすることが可能です。ただ、RPOとしては通常のレプリケーションでは数秒を実現できるものが数分~程度まで長くなってしまいます。そのためRPO数秒でSLAを実現するためには、十分な帯域が確保できているか、VRAのメモリ割り当て量はどの程度にすべきかといったサイジングが必要です。このようなサイジングに関しては弊社クライムにて資料提供やご相談を承っておりますので、こちらからご連絡いただければ幸いです。

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